データセンターを国家インフラとして扱え
AIが国家の競争力に関わる優先課題であるなら、その物理的設置を、郡単位でバラバラに計画することはできない。連邦のエネルギー計画担当者やインフラ分析者の間では、データセンターには地域的な調整が必要だという主張が強まりつつある。これは連邦による立地指示ではなく、共有された計画枠組みが必要だという意味だ。
米国エネルギー省は、国家の経済・安全保障上の目的に資するインフラは、地域レベルを超えた調整を要すると警告している。とりわけエネルギーと水のシステムが交差する場合はそうだ。実務面では、税制優遇が付与される前に水の供給余力が十分な地域へプロジェクトを誘導すること、公益事業者の計画を水当局と整合させること、個別の用途地域承認を超えて長期に及ぶ資源評価を義務づけることを意味する。
こうした調整がなければ、開発事業者が国家戦略上のインフラを、長期的に維持できる場所ではなく、最速で地元合意を取り付けられる場所に立地してしまう。多くの州では、データセンター事業者に対し、拠点ごとの水使用量や将来需要の見通しを開示する義務がない。しかし、測定しなければ管理できない。
報告の仕組みを統一し、わかりやすい指標を設け、地域の干ばつ対策と連携すれば、電力会社やコミュニティは水不足が起きる前にリスクを織り込み、インフラ更新の計画を立てることができる。そうした情報がなければ、コミュニティは自分たちが招いたわけでもない不確実性を押しつけられることになる。
解決策は、データセンターを減らすことではない。より思慮深い立地選定だ。
再生水や工業用水の供給源に近い場所に建てれば、飲料水を使う施設に比べて問題は少ない。水を使わない乾式冷却(ドライクーリング)や、空気と水を併用するハイブリッド冷却の技術はすでにあり、改良も進んでいる。ただし、コストがかさむこと、暑い地域では効率が落ちること、費用回収に規制当局の承認が必要になることなどから、導入の進み具合には地域差がある。
乾式冷却は、水を蒸発させて冷やす方式ではなく空気に依存する。ハイブリッド方式は、温度とワークロードに応じて空気と水を切り替え、総水使用量を大幅に削減できるが、猛暑時のピークではコスト増や効率低下を伴うことが多い。
Environmental Law Institute(環境法研究所)は次のように記している。「水が豊富で他の利用者と取り合いにならない地域にあるデータセンターもあれば、インフラが老朽化しつつある干ばつ地域に建てられているものもある」同研究所によれば、過去3年間だけで、水不足が深刻な地域に160以上のAI関連データセンターが新設されたという。
地域レベルで計画を立てれば、水を大量に使う処理を水不足の流域から遠ざけつつ、全国的な展開のペースを落とさずに済む。経済的なメリットも大きい。マッキンゼーの推計では、企業は世界全体でデータセンターに約7兆ドル(約1115兆2000億円)を投資し、GDPを押し上げ、雇用を生み出すとされている。


