北米

2026.01.14 15:00

「ICE廃止」望む米国人が急増、半数に迫る 第2次トランプ政権発足以来の劇的な変化

米ミネソタ州ミネアポリスで移民・税関捜査局(ICE)の職員に射殺された米国人女性レニー・ニコル・グッドさんを追悼し、英ロンドン在住の米国人らが米国大使館前で灯したろうそく。2026年1月12日撮影(Lab Ky Mo/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

米ミネソタ州ミネアポリスで移民・税関捜査局(ICE)の職員に射殺された米国人女性レニー・ニコル・グッドさんを追悼し、英ロンドン在住の米国人らが米国大使館前で灯したろうそく。2026年1月12日撮影(Lab Ky Mo/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

米国で、移民・税関捜査局(ICE)の廃止を支持する人が増えている。ミネソタ州ミネアポリスで米国人女性がICE職員に撃たれて死亡した事件を受けて、同局に対する抗議や非難の声が広がる中、最新の世論調査結果は昨夏の調査から一変。第2次トランプ政権発足以来の大きな変化が米国社会に起きている。

経済誌エコノミストと調査会社YouGov(ユーガブ)が1月9~12日に実施した世論調査(13日公表)では、「ICEの廃止を支持する」と答えた人が46%に上った。「支持しない」は43%、「わからない」が12%だった。

昨年7月の調査時点でICE廃止を支持していた人は27%だったことからみても、今回の結果は世論の大きな変化を表している。

ICE廃止を求める運動は2018年に始まった。1年後の2019年にエコノミストとYouGovが行った世論調査では、ICEの移民取り締まり方針は不評だったものの、ICEそのものを廃止すべきだとの回答は32%にとどまった。

オンライン世論調査会社のCiviqs(シビックス)によれば、ドナルド・トランプ大統領の2期目就任以降、ICE廃止を支持する人は増加傾向にある。政権発足前のCiviqs調査でICE廃止への支持は25%だったが、今月7日にミネアポリスでレニー・グッドさんがICE職員に射殺された事件後には42%に上昇した。グッドさんの死をめぐっては全国的な抗議デモが起こっており、連邦議会でも関心が高まっている。

事件後に実施された別のYouGov調査でも、これらの最新世論調査結果と類似した傾向が明らかになっている。この調査では52%がICEの活動を不適切と評価し、51%がICE職員の対応について「過度に強硬」だと答えた。

連邦議会では、ミシガン州選出のシュリ・タネダル下院議員(民主党)が「ICE廃止法案」の提出を表明した一方、廃止ではなく改革を模索する動きもある。カリフォルニア州選出のスコット・ピーターズ下院議員(同)は「過剰で不必要な武力行使を抑制する」法案を提出。イリノイ州選出のデリア・ラミレス下院議員(同)は、ICEの予算停止を求めている。

マサチューセッツ州選出のジム・マクガバン下院議員(同)は「米議会で最初にICE廃止を訴えた議員は私だ」とX(旧ツイッター)に投稿。「私の直感は正しかったようだ」と述べた。

ミネアポリスでの事件を受け、週末にかけて全米各地で抗議デモが相次いだ。進歩的な草の根運動「インディビジブル」によれば、グッドさんの名に掛けて「ICE Out For Good Weekend of Action(ICEを永遠に追い出す週末アクション)」と銘打った抗議集会が1000カ所以上で開催されたとみられる。連携した抗議活動は全米で勢いを増しており、ミネアポリスでは数千人がICEに抗議するデモ行進をした。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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