アラブ首長国連邦(UAE)の首都でもあるアブダビ首長国については、ともにUAEを構成するドバイ首長国の「最も穏やかなきょうだい」との見方が一般的だ。立ち並ぶ政府庁舎や歴史的建造物、ゆったりとした生活のペース、そして開放感が、この街を特徴づけている。
あまり知られてはいないことだが、アブダビには200以上の島がある。この街が誇る長い海岸線と青い海、生い茂るマングローブの林は、近代的な都市の景観とのコントラストをなしている。首都の記録的な成長を支え、大規模な開発事業の数々を加速させているのは、こうした要素がすべてそろっていることだろう。
アブダビに移住(または投資)する人が急増した2014~2024年の間に、この街の人口は51%増加した。また、2025年1~9月の不動産取引額は前年比43%増の940億ディルハム(約4兆円)となり、過去最高を更新。成約件数は前年比48%増加した。不動産コンサルタント会社の英Knight Frankは、高級物件(1000万ディルハム、約4億3000万円超)市場も活況を呈しており、同じ9カ月間に141件の取引が成立したと報告している。
一方、アブダビではさらに野心的なプロジェクトも推進されている。それは、この街を「世界有数のアートとデザイン、文化の中心地」のひとつとして、位置づけようとするものだ。
その出発点となっているのが、サディヤット島に整備された「サディヤット文化地区」。地元の人々、居住者、旅行者のすべてにインスピレーションを与えるような、従来の限界を超えるようなデザインと建築にあふれたエリアへの変化を続けている。
数々の「進歩的」建築物が登場
この文化地区に出現した進歩的な建築は、公立の美術館だけではない。世界初となる「ルーヴル・レジデンス」からビャルケ・インゲルス・グループ(Bjarke Ingels Group、BIG)が手掛ける完成間近の「マンダリン・オリエンタル・レジデンス」まで、居住用の建物までもが芸術的だ。
さらに、アブダビにはその他にも、アートと文化を愛する人たちにとって「見逃せない」、いくつかの施設がある。



