2026.01.14 12:00

「世界最強のパスポート」、米国がトップ10に返り咲き 日本は2位に浮上

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英コンサルティング会社ヘンリー・アンド・パートナーズは13日、「世界最強のパスポート」ランキングの最新版を公表した。それによると、米国は過去1年間で査証(ビザ)なしで渡航できる国を7カ国減らしたものの、今回のランキングでトップ10に返り咲いた。

米国は昨年10月のランキングで12位まで下落していたが、今回10位に浮上した。だが、2014年時点では英国と並んで首位に立っていた米国は、ここ10年余りで急速に順位を下げている。2006年の調査開始以降の20年間で、米国はベネズエラとバヌアツに次ぎ、国別で3番目に大きな下落幅を記録している。米国人は現在、世界179カ国にビザなしで渡航できるが、この数は昨年より7カ国少ない。

ヘンリーのランキングは、ビザなしで渡航可能な国の数に基づいて各国の旅券(パスポート)を格付けするため、複数の国が同順位となることが多い(例えば、欧州10カ国が4位に並んでいる)。米国は現在、日本のほか、韓国、カナダ、英国、欧州連合(EU)諸国を含む37カ国に後れを取っている。

オーストリア・ウィーンの人間科学研究所所長は次のようにコメントした。「パスポートの力は、究極的には政治的安定性や外交的信頼性、国際規範を形成する能力を反映している。大西洋両岸の関係が緊張し、国内政治が不安定化する中、米国や英国といった国々の移動の権利が弱まっていることは、技術的な異常というよりむしろ地政学的な再調整の兆候だ」

世界最強のパスポートを維持するシンガポール

2023年以降ランキングで首位を維持しているシンガポールの国民は、世界192カ国にビザなしで渡航できる。188カ国にビザなし渡航が可能な日本と韓国のパスポートは世界で2番目に強い(訳注:前回のランキングでは日本は3位だった)。

過去20年間でビザ免除国を最も増やした国はアラブ首長国連邦(UAE)で、現在は149カ国となっている。同国はこの期間に57位上昇し、現在の順位は5位だ。過去10年間で見ると、コソボが最も大きく順位を上げた。同国は2016年以降43カ国を追加したことで、97位から59位に浮上した。

米国はビザ免除国を制限される一方で、他国に対しても入国を制限している。米国がビザなしで入国を許可する国はわずか46カ国に過ぎない。同国は、自国民の海外渡航の自由度と他国への入国開放度との格差が世界で最も大きな国だ。

中国会計大手グラントソーントン・チャイナのティム・クラッテ氏は、米国の入国制限は「ナショナリズムへの後退」を示すものだと指摘。一方、中国は近年、ビザなし入国を認める国を増やすという逆の手法を取ってきたと強調した。中国は過去2年間で40カ国以上をビザ免除対象国に追加し、現在は77カ国にビザなし渡航を認めている。クラッテ氏は、この開放性によって、中国は世界の覇権争いにおける優位性を高めていると説明した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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