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2026.01.20 18:15

ハンバーグ定食メニューと現代数学『圏論』の意外な絆、組織も「圏」で捉えるべき理由

Adobe Stock(板書の数式はイメージ)

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昨年10月に刊行された『はじめての圏論 ブンゲン先生の現代数学入門』(加藤文元著、講談社ブルーバックス)が売れている。

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21世紀の数学界をにぎわす、現代数学における最重要理論のひとつ「圏論」は、社会に応用される可能性のある数学理論だ。そして、実はわれわれ非・数学人間の日常生活にも「圏」はあふれているらしいのだ。

著者の東京工業大学(現・東京科学大学)名誉教授でZEN大学教授、SCIENTA・NOVA代表取締役の加藤文元氏は「圏論は関係だけにコミットする考え方で、日常的な世界に応用すれば世界をより精密に正確に強力に見ることができる。『ぼやっと似ている』感に対して、 圏論は明示的な説明を与えてくれるんです」と話す(「TBS CROSS DIG with Blomberg「ほぼハンバーグで数学『圏論』を語ります」より編集の上引用)。

加藤氏はまた、同書の中で「『圏論』の基本的なアイデアは、単に「モノとモノを矢印でつなぐ」という、とてもシンプルなもの」と説明する。

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さらに「圏論」の考え方は、たとえば会社組織にも応用できる、とも加藤氏はいう。自著の中では「部署1と部署2から社長までのあいだにもうひとつの役職が必要だったという事実は、実は圏論を用いてモデル化できる。つまり圏論的には、社長から部署1と部署2に行く矢印は、その途中で共通のなにか(=調整役)を経由するということだ」と書かれている。

また、「はじめに」では以下のような説明もある。

「実際、実社会の中にもさまざまな「圏論的現象」があります。たとえば、カツ丼を注文するとき、ラーメン付きの『Aセット』にするか、おそば付きの『Bセット』にするか、という日常の場面を想像してみてください。Bセットにするなら、むしろ親子丼のほうがいいか?となると、親子丼Aセットというのも存在するはずではないか?つまり『カツ丼Bとカツ丼Aの関係における親子丼Bとの関係にあるべきもの』として(実際にあるかどうかはわからない)親子丼Aが浮かび上がってくる……このような思考を、我々は普段自然にやっています。

ここで重要なのは、我々は『親子丼Aと親子丼Bの関係』と『カツ丼Aとカツ丼Bの関係』のあいだの関係、つまり『関係と関係のあいだの関係』という、一段階層の上がった『高次の関係』に、自然に注目していることです」(注:太字は編集部)

本稿では以下、そんな同書から「6.6レストランのメニューにある関手」を引用して紹介する。「関係と関係のあいだの関係」の概念に触れることで、わたしたちもこの現代数学の考え方を、ビジネスでの部署間の問題、社外関係会社対応、さらには新たな職責への人材採用に応用できる、かもしれない━━。

読者諸兄におかれてはまず、今年を「圏論」との邂逅の年としていただければ幸いである。

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文=加藤文元 (記事構成=石井節子)

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