ハンバーグの定食化の方法(関手)
会社をつなぐ関手は、A株式会社の社員とB株式会社の社員を矢印でつなぐだけではなく、A株式会社の中にある矢印(A株式会社の社員同士をつないでいる矢印)とB株式会社の中にある矢印(B株式会社の社員同士をつないでいる矢印)をも矢印でつなぐということになる。つまり、矢印と矢印を「もうワンランク階層の高い矢印」でつなぐことになるわけで、これが「関係の関係」と述べているものに他ならない。
「性質によってモノを同定する」
似ている」ということとはまったく異なる言明である。「関係が似ている」という形の言明は「モノが似ている」というより、問題の抽象度がワンランク上がっている。そして実は、我々はそのような抽象的な比較を、かなり日常的に行っている。「AさんとBさんの関係はCさんとDさんの関係に似ている」というようなことを、誰でも考えたり口にしたりするだろう。
AとBをつなぐ射fとCとDをつなぐ射gが比較されているのだ。つまり、AさんとBさんを取り巻く人間や社会のネットワークが、CさんとDさんを取り巻く人間や社会のネットワークに比較されているのである。
したがって、これは圏論の言葉で抽象化することができる。射f:A→Bを含む圏Cと、射g:C→Dを含む圏Dが比較されているからだ。
会社をつなぐ関手は、A株式会社の社員とB株式会社の社員を矢印でつなぐだけではなく、A株式会社の中にある矢印(A株式会社の社員同士をつないでいる矢印)とB株式会社の中にある矢印(B株式会社の社員同士をつないでいる矢印)をも矢印でつなぐということになる。つまり、矢印と矢印を「もうワンランク階層の高い矢印」でつなぐことになるわけで、これが「関係の関係」と述べているものに他ならない。
加藤文元(かとう・ふみはる)◎1968年、宮城県生まれ。ZEN大学教授、東京工業大学(現・東京科学大学)名誉教授、SCIENTA・NOVA代表取締役、ZEN数学センター(ZMC)所長、NPO法人数理の翼顧問。97年、京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻博士後期課程修了。九州大学大学院助手、京都大学大学院准教授、東京工業大学教授などを経て現職。『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』(KADOKAWA、のち角川ソフィア文庫)で第2回八重洲本大賞を受賞。その他の著書に、『数の進化論』(文春新書)、『数学の世界史』(KADOKAWA)、『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』(中公新書)、『ガロア 天才数学者の生涯』(中公新書、のち角川ソフィア文庫)、『リジッド幾何学入門』(岩波書店)、『数学の想像力 正しさの深層に何があるのか』(筑摩選書)など多数。



