キャリア

2026.01.19 10:00

雇用なきAI時代の組織設計、「業務オーケストレーション」への転換点でリーダーは何をすべきか

Shutterstock.com

Shutterstock.com

組織はずっと以前から、「雇用」を業務遂行のための自然な枠組みとして扱ってきた。行うべき業務があるとき、リーダーは役割を定義し、その役割を「予測可能性と管理を実現するよう設計された構造」の中に組み込み、その後で人材を採用した。こうした論理が理にかなっているのは、可視性が限られ、調整にかかるコストが高く、決まった時に決まった場所で業務が行われる世界でのことだ。

advertisement

しかし、そうした世界はもはや存在しない。同時に、「人材を抱えておくこと」が成果を生み出す唯一の信頼できる方法だ、という前提が消えてなくなろうとしている。

ジョブ(職業、職務)とワーク(業務、作業)は、同じものではなかった。ジョブとは、ワークを提供するメカニズムだったのだ。

ジョブが、業務を完了させるデフォルトの方法になっていた理由

ジョブに、神聖さや不変性は存在しない。人類の歴史の大半において、人々は現代的な意味で「ジョブを持つ」ことはなかった。人々は、差し迫ったニーズを満たす技術や交易、サービスを通じて価値を生み出していた。ジョブという概念が安定した構造として登場したのはずっと後のことであり、それは組織が、タスクと時間と責任を、大規模に管理できる形にまとめる方策だった。

advertisement

時が経つにつれ、我々は「入れ物」と「中身」を混同するようになった。

役割は、成果より重要になった。貢献度ではなく存在感が代用されるようになった。適応性に代わって安定性が重視されるようになった。最も重要だったのは、何が成し遂げられたかではなく、システム内のどこに、誰が属しているかだった。

しかし現代のテクノロジーは、かつて取りまとめが必要だった多くの制約を取り除いた。調整には、もはや物理的な近さは不要だ。業務遂行は、固定されたチームに依存しなくなった。作業は、かつては不可能だったような方法で分解され、分散され、再構成され、測定されるようになった。

にもかかわらず、組織は依然として、当たり前のように人を雇用している。

組織が、実際には従業員を求めていない理由

直感に聞けば、組織が実際に求めているものは明らかになる。組織が求めているものは、実際には人ではなく、確実性だ。

従業員を雇おうとするリーダーは、業務が確実に遂行されることを担保しようとしている。継続性、説明責任、可視性、そしてリスク管理の手段を求めている。雇用は可用性、管理性、法令順守を1つの取引にパッケージ化してくれるので、この確実性を「購入」する最も身近な手段となってきた。

しかし現在、それはもはや、最も効果的な方法であることを意味しない。

雇用は、働く人の存在を保証する。しかし、成果や品質、関連性を保証するものではない。出勤への対価を支払うことは、従業員が職場にいることを保証するだけだ。組織が必要とする成果を生み出すことを保証するものではないし、状況の変化に適応することを保証するものでもない。

では、なぜ組織は依然として、当然のごとく雇用を続けるのだろうか?

その理由は、これまでほとんどの代替案は、確実性の問題を解決できなかったことにある。フリーランス市場や、従来のアウトソーシングモデルは、人材へのアクセスを改善したが、依然として1対1の取引、一時的な関与、人間による管理に依存していた。業務担当者が変更されただけで、実行責任の所在は変わらなかった。結果に対して説明責任を持つリーダーにとって、これでは不十分だった。

ここで話は、「(人材への)アクセス」から「オーケストレーション(大規模で複雑なシステムの管理を効率化・自動化すること)」へと移る。

次ページ > 人材の雇用から、業務遂行のオーケストレーションへ

翻訳=ガリレオ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事