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2026.01.19 10:00

雇用なきAI時代の組織設計、「業務オーケストレーション」への転換点でリーダーは何をすべきか

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人材の雇用から、業務遂行のオーケストレーションへ

オーケストレーションとは、人材を見つけることではない。業務遂行のプロセスそのものを再設計することだ。つまり、AIが活用される分散型の世界において、業務がどのように調整され、遂行され、責任が明確化されるかの再設計を意味する。

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オーケストレーションモデルでは、組織は個人と契約を結ぶわけではない。組織が契約を結ぶのはシステムであり、このシステムは、分散された業務、クラウド・インフラストラクチャ、AIを活用した調整を前提に構築されている。こうしたシステムが複雑性を吸収することで、組織は成果に集中できる。

ポッドキャスト番組「The Future of Less Work」での最近の対談で、インドのソフトウェア企業AiDOOSの創設者でもあるクリシュナ・ヴァルダン=レディ最高経営責任者(CEO)は、雇用に代わるほとんどの選択肢が、組織にとっての業務遂行上の問題をこれまで解決できなかった理由について説明した。

彼は、フリーランスのプラットフォームは、「単なるマッチングプラットフォームに過ぎない。そして、これらのプラットフォームが企業顧客に浸透していない理由、そして、今頃には実現されるはずだった破壊的イノベーターになれていない理由は、(中略)パートナー企業に安心感を与えていないからだ」と主張した。

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オーケストレーションモデルの新興事例の一つが、仮想的な業務提供センターの台頭だ。組織は個人と契約したり、臨時チームを編成したりする代わりに、持続的な供給能力を確立するプラットフォームと提携する。

ヴァルダン=レディCEOが説明する通り、業務遂行の仕組みは、(新型コロナウイルス感染症の)パンデミック時に組織が実施したシフト制とよく似ている。「従業員は、自宅からツールを通じて接続し、仕事をした。まったく同じだ。ただ、彼らは従業員ではない、というだけのことだ。彼らは、プラットフォーム上にいる人材となる。それだけだ。他はすべて機能する。あらゆる権限、ダッシュボード、情報、データ、すべては組織の希望どおりになる」

そのインターフェースの背後ではチームが編成され、調整され、変化するニーズに対応するために継続的に再構成される。成果は、測定可能な単位に分解され、業務提供状況は、共有ダッシュボードを通じて追跡される。AIエージェントが処理できるタスクは自動化され、判断力、文脈理解、創造性を要する業務は人間に振り分けられる。この組み合わせは継続的に進化するが、組織内の構造を変更する必要はない。

成果に応じて報酬が支払われる。監視は可視化に取って代わられる。調整は、もはや管理上の負担ではなく、システムの機能となる。

このモデルが機能するためには、かつてジョブが担っていた役割をオーケストレーションが果たさねばならない。つまり、オーケストレーションが、信頼性と予測可能性を生み出す必要がある。しかしその信頼性はもはや、近接性や所有権、永続性から生まれるものではない。それは、業務遂行のレイヤーそのものに組み込まれた、透明性、標準、説明責任から生まれる。

雇用と業務遂行を分離することで、組織は過剰に雇用せず適応できるようになる。人間は、単一の役割に人生を捧げることなく貢献できる。

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翻訳=ガリレオ

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