北米

2026.01.14 11:30

a16zが「2.4兆円」調達、2025年全米VCが集めた資金の5分の1を獲得

a16z共同創業者ベン・ホロウィッツ(Tobias Hase/picture alliance via Getty Images)

a16z共同創業者ベン・ホロウィッツ(Tobias Hase/picture alliance via Getty Images)

アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は、5つの新たな成長・ベンチャーファンドのために150億ドル(約2兆3820億円)を調達した。これは、ベンチャーキャピタルファンドとして史上最大級の資金調達となる。

今回の資金調達により、a16zの支援者らは、新たな成長ファンドに67億ドル(約1兆634億円)、アプリ、インフラ、「アメリカン・ダイナミズム」(a16zが提唱する米国の国益を増進する革新的なテクノロジーをもつスタートアップへ投資する考え方)に焦点を当てた3つのファンドに51億ドル(約8090億円)を投じることになる。この巨額の調達額は、2024年の調達額(72億ドル・約1兆1430億円)の2倍以上となり、これまでの最多調達額である2022年の90億ドル(約1兆4280億円)から大きく飛躍した。

この150億ドルの調達額は、最大のライバルを上回る規模だ。ライトスピードは昨年12月に90億ドルを調達し、ピーター・ティールのファウンダーズ・ファンドは昨年4月に46億ドル(約7300億円)を調達した。金融情報プラットフォーム、ピッチブック(Pitchbook)のデータによると、2025年がベンチャーファンドの資金調達において2017年以来、最悪の年であったにもかかわらずである。

米国拠点のベンチャーファンドが調達した資金額は、2022年のピーク時の2230億ドルから70%以上急落し、昨年はわずか660億ドル(約10兆4790億円)となった。これは、パンデミック時代の過剰投資に苦しむ基金や年金基金、そして新規株式公開や買収による流動性の深刻な枯渇が原因だ。投資家から資金を獲得するファンドの数も、3分の1以上減少して537となった。

Pitchbookのデータによると、上位10社の最大ベンチャーファンドが、昨年投資家から調達した全資金の43%以上を獲得していた。このデータには、a16zによる巨額の調達資金は含まれていない。「あらゆる業界で差別化の最大の要素は何か?ナンバーワンになることだ」と、a16zの創業者の1人であるアンドリーセンは2019年にフォーブスに語った。当時、a16zが運用していた資産はわずか100億ドルだったが、現在は膨れ上がり、900億ドル(約14兆2900億円)の資産を運用している。

現在a16zは、シリコンバレーのベンチャーキャピタル界の老舗、セコイア・キャピタル(中国・東南アジア部門との分離後、運用資産は560億ドル・約8兆8920億円)を上回る規模となった。大手競合、ジェネラル・カタリスト(運用資産430億ドル・約6兆8290億円)のほぼ2倍にあたる。a16zに匹敵するのは、2017年に1000億ドルという記録的な巨額資金を調達したソフトバンクのビジョン・ファンドのみだ。

多くのベンチャーキャピタルファンドと同様、a16zも出資者を公表していない。Pitchbookと公開データによれば、a16zは現在複数のファミリーオフィス、カリフォルニア州職員退職年金基金(Calpers)などの公的年金基金、ミシガン大学基金などの寄付基金から支援を受けている。a16zの資金調達ネットワークは米国をはるかに超えている。同ファンドは昨年東京に事務所を開設し、サウジアラビアの政府系ファンドから分かれたテック特化型投資会社サナビルのポートフォリオにも組み込まれている。

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