欧州

2026.01.14 09:30

ロシア軍の「騎兵突撃」に拡大の兆し ウクライナは馬を傷つけない攻撃法考案

ロシア軍の騎乗兵がウクライナ側のドローン(無人機)を受ける様子とみられる画像。ウクライナ軍第36独立海兵旅団がソーシャルメディアで公開した動画から

騎兵突撃の最後の成功例は、驚くべきことに第二次大戦中のものだ(編集注:1942年8月、ロシア戦線でイタリア陸軍サボイア騎兵連隊がソ連軍2個大隊を壊滅させたとされるイズブシェンスキーの突撃、1945年3月、日中戦争の老河口作戦で、日本陸軍騎兵第4旅団が中国軍守備の老河口飛行場に向けて突進し、下馬兵らが同飛行場を制圧した戦闘などが有名)。どれが最後の騎兵突撃だったのかについては議論があり、それには馬に乗って移動するが戦闘自体は徒歩で行う「乗馬歩兵」を騎兵に含めるかどうかといった問題が関係している。WarGonzoなどが何と言おうが、ドローンが遍在する現代の戦場でこうした成功が再現される可能性は低い。

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プーチンは自分が勝っていると世界に信じ込ませようと躍起になっており、自国の兵士を際限なく犠牲にすることを厭わない。ロシア軍は現在、月におよそ3万人の兵士を失い、同じくらいの数を補充している。兵士たちは「肉挽き機」のような突撃に投入され、ごくわずかな前進しか遂げられていない。ロシア軍が2025年に占領できたのはウクライナの領土全体の1%ほどにすぎない。

それでも、ロシアメディアはこれを「成功」として描き続けている。

実際には、ロシア軍の背後にある軍事機構は消耗している。たとえばロシア最新のT-90M戦車については、年間数百両が生産されているという推計があるが、前線での急増は確認されていない。代わりに、ハンの率いる部隊などが騎兵突撃の訓練に励み、国営メディアはそれを現代戦の遂行に適した手段であるかのように報じている。外部でそれを真に受ける人はいない。

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米国のニュースサイト「Malcontent News」は「4年で最先端の装甲車両から騎兵に後戻りした軍隊が勝利したという例は、寡聞にして知らない」とX(旧ツイッター)に投稿している

ロシア軍は2026年にさらに人的損害が増え、ますます衰退するだろう。もっとも、どこまで退行するのかを見極めるのは困難だ。

1月8日更新:ソーシャルメディアで共有された新たな動画から、ロシア軍による馬を用いた攻撃が続いていることが示された。騎乗兵は低空飛行するドローンの接近を受けて落馬し、その後攻撃を受けている。馬のほうは被害を免れたようだ。ロシア側の別の動画では、ロシア兵が馬の鞍に米スペースXの衛星通信網「スターリンク」の端末を取り付け、映像の送信などができるようにしていることも判明した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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