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2026.01.13 12:00

トランプはイラン再攻撃に踏み切るのか? 考えられる軍事作戦と、その実効性

米軍のF-35戦闘機とB-2爆撃機。2025年8月15日、米アラスカ州にて(Fatih Aktas/Anadolu via Getty Images)

米軍のF-35戦闘機とB-2爆撃機。2025年8月15日、米アラスカ州にて(Fatih Aktas/Anadolu via Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は、イラン全土に広がった反体制抗議デモに対して当局が暴力的な弾圧を続けるならば、米軍による攻撃も辞さないと1週間以上にわたり繰り返し警告している。また、対イラン軍事介入で米国が取りうる選択肢について説明を受けてもいる。トランプが最終的にどのような決断を下すのか、そしてトランプの命じる作戦が、抵抗の意思は強いものの戦力面では圧倒的に劣勢なデモ隊側に決定的な優位をもたらしうるかどうかは、まだわからない。

米紙ニューヨーク・タイムズは10日、トランプがここ数日イランに対する軍事的選択肢について説明を受けており、その中にはテヘランにある非軍事施設への攻撃も含まれていると報じた。この報道によると、トランプはまだ攻撃の最終決定を下してはいない。

トランプは今月上旬から、イラン当局が平和的なデモの参加者を殺害すれば米国は軍事攻撃に出る用意があると警告してきた。現在イラン各地に広がっている抗議デモは、国内が深刻な経済危機に見舞われる中で12月下旬に始まり、急速に拡大。1979年以来イランを統治してきたイスラム神権体制への大規模な反体制運動へと発展しつつある。

トランプがイランを相手に最初の警告を発したのは、米軍が南米ベネズエラの首都カラカスを急襲し、イラン現政権の盟友であるニコラス・マドゥロ大統領の身柄を拘束するほんの数時間前のことだった。

イラン当局はその後、デモ隊の鎮圧を強化。これまでに数百人が殺害され、犠牲者の数は数千人に上る可能性も指摘されている。国内のインターネットや通信は完全に遮断され、こうした状況は、シリアでかつてイランと同盟関係にあったバッシャール・アサド政権が「アラブの春」の平和的デモ参加者を虐殺・拷問した2011年の「シリア蜂起」初期を不気味なほど彷彿とさせる。

もどかしいほど不明な点が多いが、「平和的なデモ参加者の殺害」というトランプが引いた一線をイランがすでに踏み越えたのは間違いない。

イラン政府は予想にたがわず、米国が攻撃に踏み切れば中東に展開する米軍基地や米艦船に報復攻撃を行うと警告している。現在86歳のイラン最高指導者アリ・ハメネイ師はデモ参加者を、「米大統領のご機嫌取り」をしたい「破壊者」にすぎないと一蹴。さらに憂慮すべきことに、モハマド・モバヘディ・アザド検事総長は一連の抗議デモに参加した者は皆「神の敵」であり、イラン・イスラム共和国では死刑に相当する罪だと宣言した。

ハメネイ師の前任の最高指導者である故ルホラ・ホメイニ師が1988年、政治犯に「神の敵」との烙印を押すファトワ(宗教令)を密かに発し、イラン国内で数千人が裁判を経ることなく迅速かつ超法規的に処刑されたことを忘れてはならない。イランでは当時わずか数カ月間のうちに、帝国最後のシャー(皇帝)であるモハンマド・レザー・パフラヴィーの37年間にわたる統治下よりも多くの政治犯が殺害されたのである。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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