トランプは9日、米国はイランの「もっとも弱いところを非常に激しく」攻撃すると述べたが、「地上部隊の投入」はないとも明言した。この発言からは、これまでにもトランプが選んできた単発攻撃が再び行われるかもしれないことが推測される。
昨年6月、イスラエルとイランの間で行われたいわゆる「12日間戦争」の終盤に、米国は「ミッドナイト・ハンマー作戦(真夜中の鉄槌作戦)」を実施。100機を超える軍用機を投入し、戦闘機に護衛されたステルス爆撃機B-2スピリットでイランの中核的な核施設を爆撃した。イランは報復として、米兵約1万人が駐留していたカタールのアルウデイド空軍基地を事前通告の上で攻撃。その後、双方は緊張緩和を図り、トランプは皮肉を込めて報復攻撃の「事前通告」をしたイラン指導部に感謝さえ述べた。
NYタイムズによればトランプの選択肢には、非武装のデモ参加者を殺害したイラン治安部隊を標的にする作戦案も含まれている可能性がある。しかし米当局者は、イランが公然と脅しをかけている「中東にいる米軍や米外交官の安全をおびやかす報復攻撃」を引き起こしかねない作戦には慎重だ。
イラン当局は、ハメネイ師にロシアへ脱出する計画があるとの情報を否定している。仮にロシアに逃げれば、かつての同盟者アサドのように亡命生活を送ることになろう。あるイラン当局者は英紙テレグラフに9日、「たとえB-52爆撃機が頭上を飛んでいても、ハメネイ師はテヘランを離れないだろう」と語った。
現在のところ、トランプがハメネイ師を直接標的にする計画を検討している兆候はない。昨年6月の12日間戦争中、トランプは米国がハメネイ師の「潜伏場所」を正確に把握していると主張。報復として米兵や米民間人がミサイル攻撃の対象となるのを避けるため「少なくとも現時点では」同師を殺害しないと自身のSNSであるトゥルース・ソーシャルに投稿した上で、「われわれの忍耐は限界に近づいている」とも付け加えていた。
同様の計算が今回も適用されている可能性は、高いとはいえないまでも存在する。今後数日間でイラン当局がさらに数百人、数千人のデモ参加者を殺害した場合、米国がハメネイ師を標的にする可能性は高まるだろう。それまでにイランのミサイルやドローンの射程圏内にある中東の米軍事・外交施設では対応準備や避難を急ぐことになるかもしれない。


