北米

2026.01.14 13:00

早くも始まった2026年11月の米中間選挙「資金集めの戦い」──注目の激戦州の状況

ChiccoDodiFC/Shutterstock.com

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トランプ大統領による2028年大統領選に向けた動き、共和党内の後継者をめぐる権力闘争、民主党がホワイトハウス奪還に向けて誰を擁立するのかといった議論が注目を集めている。

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なかでも、2026年の焦点として忘れてはならないのが、11月の中間選挙だ。下院と上院の支配権を決める戦いはすでに動き始めている。そこでは、候補者による資金集めの状況が、今後の動向を予測できる初期の手がかりの1つとなる。

2026年中間選挙に向けた資金調達の全体像

民主党はすでに、少なくとも上下両院のどちらかで多数派を奪還することを目指しており、資金面で明るい兆しを見せている。両党の上院を目指す候補者が集めた資金の合計が4億4000万ドル(約695億円。1ドル=158円換算)を超えており、民主党が集めた資金は2億5100万ドル(約397億円)で、共和党の1億8300万ドル(約289億円)を上回っている。下院選では両党の差はそれほど開いておらず、民主党が3億4700万ドル(約548億円)、共和党が3億800万ドル(約487億円)となっている。

トランプ政権下で政治参加意識が高まり、資金を支える

バージニア大学の選挙予測組織「サバトーズ・クリスタル・ボール」のマネージングエディター、カイル・コンディックは、こうした民主党の資金力の背景に、「トランプ政権下で政治への参加意識が高まり、比較的高所得の支持層が形成されたことがある」と指摘する。彼は2025年12月下旬、2026年の見通しについて「特に下院選では民主党候補の資金調達が一気に加速し、共和党は資金面で圧倒されることを懸念するようになるだろう」と語っていた。

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ただし、選挙区ごとの状況はより複雑で、共和党が明確な強さを示している地域もある。フォーブスは、接戦と見なされている上院選8選挙区と下院選7選挙区を分析した。下院の7議席はいずれも共和党の現職議員が保持しており、クリスタル・ボールを含む主要な選挙予測サイト4社はいずれも、これらの選挙区を最近「接戦状態にある」と評価した。

現職議員が持つネットワークと資金力の優位性

もっとも、現職議員は長期間にわたって資金集めを行ってきたことに加え、すでに確立された支援者ネットワークを持っているため、手元資金では有利になりやすい。「下院でも上院でも、いわゆる『現職優位』の最大の利点は、集められる資金の額だ」。そう語るのは、エリン・コヴィーだ。コヴィーは別の選挙予測メディア、クック・ポリティカル・リポートの下院担当エディターを担っている。

こうした構図は、全体としては共和党にわずかながら追い風となっている。とりわけ下院では、現在、多数派を占めているのが共和党であるため、その影響が表れやすい。仮に民主党候補が現職の下院議員より多くの資金を集めたとしても、その多くは本選の前に、民主党内の予備選で他の民主党候補との争いに使われてしまう。

独立系政治団体の資金動向は、現時点では不透明

テキサス州の上院選やアリゾナ州第1下院選挙区では、本選を前に、民主・共和両党とも接戦が予想される予備選を控えている。不透明さを増しているのが、無制限に寄付を集められる独立系政治団体の存在だ。こうした団体は、選挙が近づくまで詳細な資金状況を開示する必要がないため、多くは2025年6月30日以降、連邦選挙委員会(FEC)にデータを提出していない。本分析ではこれらの団体を対象外としているが、投票日が近づけば、どのビリオネアの寄付者が、どの候補者を支援しているのかが明らかになってくるだろう。

トランプ大統領の支持表明が、MAGA系寄付者の動きを左右

今回の選挙情勢において最も重要なビリオネアであるトランプ大統領は、共和党の予備選のすべてに関与しているわけではない。ただし、トランプの支持表明は、MAGA系寄付者にとって重要なシグナルになり得る。政治分析サイト「インサイド・エレクションズ」を運営するネイサン・ゴンザレスは「彼がトゥルース・ソーシャルに投稿したからといって、自動的に資金が集まるわけではない。支持表明をどう伝え、実際の寄付につなげるかは候補者次第だ」と述べている。

次ページ > フォーブスが分析した、15の重要選挙区における資金状況の内訳

翻訳=上田裕資

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