アリゾナ州下院第1選挙区
○現職:共和党○資金調達で優位:評価は時期尚早
フェニックスの一部と北部郊外を含むこの激戦区では、資金調達力のある民主党候補が少なくとも5人、相次いで名乗りを上げている。調達額が最も多いのは、集合住宅向けサービス企業の創業者のジョナサン・トレブルで、170万ドル(約2億7000万円)を集めている。ただし、このうち100万ドル(約1億6000万円)は本人が自陣営に貸し付けた資金だ。手元資金では、元ジャーナリストのマーレン・ガラン=ウッズと、元州下院議員で2024年の選挙でわずか1.5ポイント差で敗れていたアーミッシュ・シャーが続いている。手元資金は、ガラン=ウッズが50万ドル(約7900万円)、シャーが40万ドル(約6300万円)だ。
現職のデービッド・シュワイカートは9月、アリゾナ州知事選への出馬を表明した。これを受けて、共和党側でも後継争いが本格化し、州共和党委員長ジーナ・スウォボダ、州下院議員ジョー・チャプリクなどが出馬を表明した。12月19日には、アリゾナ州第5選挙区で立候補していた元NFLのキッカー、ジェイ・フィーリーが、この選挙区への鞍替えを発表した。フィーリー陣営の調達額は、本人からの33万ドル(約5200万円)の貸付を含めて約100万ドル(約1億6000万円)となっている。
アリゾナ州下院第6選挙区
○現職:共和党○資金調達で優位:共和党
アリゾナ州第1選挙区の混戦とは対照的に、ツーソン郊外からニューメキシコ州境まで広がる第6選挙区では、与野党ともに候補者がほぼ固まりつつある。共和党の現職で3期目を目指すフアン・シスコマニは、ここ1年で290万ドル(約4億6000万円)を調達し、手元資金は240万ドル(約3億8000万円)に達している。現時点では、この資金力が優位に働いている。これを追うのが、元海兵隊員のジョアンナ・メンドーサで、これまで190万ドル(約3億円)を集め、手元資金は約95万ドル(約1億5000万円)となっている。直近の四半期に限れば、調達額は67万ドル(約1億1000万円)と、シスコマニの46万ドル(約7300万円)を上回っている。
コロラド州下院第8選挙区
○現職:共和党○資金調達で優位:共和党
デンバー北郊から州間高速道路I-25沿いに北へ伸びるこの選挙区では、共和党の現職で2期目のゲイブ・エバンズが議席の維持を目指している。エバンズはここ1年で230万ドル(約3億6000万円)を調達しており、資金面では依然として優位に立っている。これに対し、金額面で最も有力な挑戦者となっているのが、民主党の州下院議員で2025年1月に出馬を表明して以降、210万ドル(約3億3000万円)を集めたマニー・ルティネルだ。ただし、ルティネルは知名度向上に向けてすでにエバンズの2倍以上を支出しており、現在の手元資金は約100万ドル(約1億6000万円)にとどまっている。別の州下院議員や州財務官を含む3人が新たに参戦し、いずれも相応の資金を集めている。このため、エバンズとの本選での対峙を前に、民主党側の予備選は資金面での消耗戦になる可能性がある。
アイオワ州下院第1選挙区
○現職:共和党○資金調達で優位:共和党
アイオワ州南東部の第1選挙区における11月の選挙は、3回連続の同じ顔合わせとなる可能性が高まっている。民主党からは、ここ1年で190万ドル(約3億円)を集めた元州下院議員クリスティーナ・ボハナンが出馬し、共和党の現職マリアネット・ミラー=ミークス下院議員に挑む構えだ。ボハナンが党の予備選を勝ち抜けば、2022年、2024年に続いて同じ顔合わせとなる。前回の2024年選挙は、勝敗が800票未満という僅差で決まっていた。民主党からは、弁護士でDOGEによる人員削減の影響を受けたとされるテイラー・ウェッタックも立候補しており、これまでに約40万ドル(約6300万円)を調達している。
現職のミラー=ミークスは、これまで320万ドル(約5億1000万円)を集め、手元資金も260万ドル(約4億1000万円)と、現時点では資金面で優位を保っている。ただし第3四半期に限れば、ボハナンの調達額は100万ドル(約1億6000万円)に達し、ミラー=ミークスの80万ドル(約1億3000万円)を上回った。
ミシガン州下院第7選挙区
○現職:共和党○資金調達で優位:共和党
ミシガン州の第7選挙区では、民主党のエリッサ・スロトキンが保持していた議席を、2024年の選挙で共和党が奪還した。現職のトム・バレット下院議員は、2期目に向けて280万ドル(約4億4000万円)を調達したが、フォーブスが分析した現職下院議員の中で最多の100万ドル(約1億6000万円)をすでに支出している。この支出は、「ダイレクトメールを軸とした有権者への訴求」に向けたもので、今後の効果が期待できると陣営のコンサルタントは述べている。
民主党の予備選は、安全保障分野に軸足を置く2人による一騎打ちとなる可能性が高い。候補の1人は、ウクライナおよびスロバキアの駐在大使を務めたブリジット・ブリンク。もう1人は、元ネイビーシールズ隊員で、オバマ政権で軍事補佐官を務めたマット・マースダムだ。資金面ではブリンクが先行しており、調達額は110万ドル(約1億7000万円)と、マースダムの60万ドル(約9500万円)を上回っている。環境保護団体「サンライズ・ムーブメント」の共同創設者であるウィル・ローレンスも立候補しており、約20万ドル(約3200万円)を集めている。
ペンシルベニア州下院第7選挙区
○現職:共和党○資金調達で優位:共和党
この選挙区では、民主党の複数候補が、資金力のある共和党現職に挑む構図となっている。アレンタウンを地盤とする現職のライアン・マッケンジー下院議員は、これまで190万ドル(約3億円)を調達し、手元資金は140万ドル(約2億2000万円)を上っている。民主党側は、地元自治体の首長や元連邦検察官などの複数の候補が名乗りを上げており、そのうち4人が30万ドル(約4700万円)超を集めている。ただし、その1人のラモント・マクルーアの調達額46万ドル(約7300万円)のうち、20万ドル(約3200万円)は自己資金だ。8月に出馬を表明した消防士組合のトップ、ボブ・ブルックスは12月、2028年大統領選の有力候補の1人と目されるペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロから支持を取り付けた。
バージニア州下院第2選挙区
○現職:共和党○資金調達で優位:評価は時期尚早
バージニアビーチを地盤とする選挙区の情勢は、なお流動的なままだ。この選挙区では当初、共和党の2期目の現職下院議員であるジェン・キガンズに、複数の民主党候補が挑む構図となっていた。キガンズはこれまでに280万ドル(約4億4000万円)を調達し、手元資金は190万ドル(約3億円)に上っている。しかし、11月に民主党の元下院議員エレイン・ルーリアが出馬を表明すると、状況は一変した。ルーリアは2023年の選挙でキガンズに敗れているが、再挑戦の表明によって民主党内の候補者は一気に絞られた。彼女の陣営は、出馬から24時間で50万ドル(約7900万円)を集めたと述べている。
重要になりそうなのが、州都リッチモンドでの動きだ。州議会の民主党は、第2選挙区を含む複数の選挙区について、党に有利になるよう区割りの見直しを進めている。「もしこの選挙区が大きく変わることになれば、キガンズが最終的に出馬するかどうかさえ分からない」と、サバトーズ・クリスタル・ボールのコンディックは指摘する。
これに対し、キガンズ陣営の上級顧問ダニー・ラウブは、現職議員である彼女の出馬は確定していると強調した。彼はまた、「キガンズはすでに1度エレイン・ルーリアを破っている。前回ルーリアを退けた有権者が、再戦を強く求めている状況ではない」と語った。


