北米

2026.01.14 13:00

早くも始まった2026年11月の米中間選挙「資金集めの戦い」──注目の激戦州の状況

ChiccoDodiFC/Shutterstock.com

フォーブスが分析した、15の重要選挙区における資金状況の内訳

以下に、フォーブスが分析した15の重要選挙区における資金状況の内訳を掲載する。

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ここに挙げた数値は、2025年9月30日までを対象とした最新のFEC提出資料に基づいている。下院選については、主要な選挙予測サイト4社が「接戦」と評価した7選挙区を分析対象とした。

ノースカロライナ州上院選

○現職:共和党○資金調達で優位:民主党

共和党のトム・ティリス上院議員が引退を表明した選挙区で、民主党は有力候補とされるロイ・クーパー前知事を擁立した。その差は、資金集めの状況にもはっきりと表れている。クーパーは7月に出馬を表明して以降、1090万ドル(約17億2000万円)を集めた。このうち460万ドル(約7億3000万円)は、他の政治委員会から移された資金だ。選挙活動に充てた支出を差し引いた現在の手元資金は、860万ドル(約13億6000万円)に上る。

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これに対し、対抗馬と目されているのが、トランプの支持を受けた元ブッシュ政権スタッフで、共和党の党務経験を持つマイク・ワトリーだ。彼が集めた資金は140万ドル(約2億2000万円)にとどまるものの、ワトリーを支援する合同委員会や、ノースカロライナ州共和党系の他の団体が、別途450万ドル(約7億1000万円)を調達している。

それでも州内では、ワトリーの知名度が十分ではない点が課題となっている。政治分析サイト「インサイド・エレクションズ」を率いるネイサン・ゴンザレスは、「州全体での認知度を高めるには、さらに資金が必要になる」と指摘する。そのうえで、「資金をめぐる切迫感は、クーパー陣営と同じではない」と語っている。

メイン州上院選

○現職:共和党○資金調達で優位:評価は時期尚早

民主党が優勢なニューイングランド(米北東部の6州)で、共和党から唯一選出されている上院議員で、カマラ・ハリスが勝利したメイン州を代表する唯一の共和党上院議員でもあるスーザン・コリンズは、この選挙戦の序盤で優位に立っている。手元資金は670万ドル(約10億6000万円)に上り、直近1年の資金調達額も520万ドル(約8億2000万円)に達している。

民主党側の候補の1人で、港湾管理者を務める元海兵隊員のグレアム・プラトナーは、直近の四半期に320万ドル(約5億1000万円)を調達し、コリンズの190万ドル(約3億円)を上回った。ただし、新たな有力候補が加わったことも無視できない。10月に出馬を表明したメイン州知事、ジャネット・ミルズ(78)は、出馬表明から24時間で100万ドル(約1億6000万円)を集めたとしている。ミルズ陣営はまだ詳細な資金報告を提出していないが、今後数カ月のうちに、この選挙区の情勢はより明確になってくるとみられる。

オハイオ州上院選

○現職:共和党○資金調達で優位:民主党

副大統領に就任したJD・ヴァンスの後任を争うこの選挙戦について、サバトーズ・クリスタル・ボールのコンディックは、「事実上の現職が2人いるような構図だ」と指摘する。共和党側では、ヴァンスの辞任に伴い任命されたジョン・ヒューステッドが、残りの任期を務めるために立候補しているものの、この議席については、これまで選挙を通じて選ばれた経験がない。

民主党の候補は、ほぼ確実にシェロッド・ブラウンになる見通しだ。2007年から2024年まで、オハイオ州の上院議員を務めた彼は、4期目を目指した前回の選挙で敗れていた。資金面では、ブラウンの手元資金が約590万ドル(約9億3000万円)、ヒューステッドが500万ドル(約7億9000万円)と、現時点ではブラウンがややリードしている。ブラウンはまた、8月に出馬を表明したばかりにもかかわらず、ヒューステッドの580万ドル(約9億2000万円)を上回る700万ドル(約11億1000万円)を集めている。

ジョージア州上院選

○現職:民主党○資金調達で優位:民主党

ジョージア州では、再選に向けて盤石の構えを見せる民主党現職のジョン・オソフに対し、複数の共和党候補が挑む構図となっている。オソフは、2026年に下院・上院選に出馬する民主党候補の中で最多となる5400万ドル(約85億円)を集めており、その資金力は群を抜いている。このうち3300万ドル(約52億円)は直近の1年に調達したもので、9月末時点の手元資金も2100万ドル(約33億円)に達していた。

これに対し、共和党側は候補者をまだ絞りきれていない。名乗りを上げているのは、ジョージア州選出の下院議員であるバディ・カーターとマイク・コリンズ、そして同州出身の元フットボール指導者で、州知事のブライアン・ケンプから支持を受けているデレク・ドゥーリーの3人だ。

3人がこれまでに集めた資金は、合計で約900万ドル(約14億2000万円)で、このうちカーターは、6月に自らの陣営に200万ドル(約3億2000万円)を貸し付けたこともあり、手元資金は約400万ドル(約6億3000万円)に達している。コリンズ陣営とドゥーリー陣営は、カーターの一部資金が自己資金によるものである点を問題視しており、共和党の予備選が資金面でも激しい争いになることを示している。クック・ポリティカルのコヴィーは、最大の焦点はトランプがこの予備選に介入し、候補者の一本化に動くかどうかだと指摘している。

ミシガン州上院選

○現職:民主党○資金調達で優位:民主党

ミシガン州では、共和党の候補が元下院議員で2024年の上院選にも出馬したマイク・ロジャースにほぼ一本化されている一方で、民主党側は複数候補が競り合う構図となっている。ロジャースの手元資金は270万ドル(約4億3000万円)で、これまでに集めた資金は累計340万ドル(約5億4000万円)に達している。しかし、民主党側の有力候補は、いずれもこの金額を上回っている。下院議員のヘイリー・スティーブンスが470万ドル(約7億4000万円)で先行し、上院議員のマロリー・マクモローが390万ドル(約6億2000万円)、ウェイン郡の元保健局長であるアブドゥル・エルサイードは360万ドル(約5億7000万円)を集めている。

民主党内では、すでに候補者同士の対立が生じている。コメントを求められたマクモロー陣営とエルサイード陣営はいずれも、スティーブンスの調達額のうちの約150万ドル(約2億4000万円)は、下院議員時代の選挙資金を移したものだと指摘した。これに対し、スティーブンスは声明で、自身の選挙戦を「ミシガンへのラブレターだ」と表現した。この状況について、サバトーズ・クリスタル・ボールのコンディックは、「ミシガン州の民主党予備選は、ジョージア州の共和党予備選とよく似ている。いずれも内紛が激しく、見苦しい争いになりかねず、最終的に強い候補が残るとは限らない」と指摘した。

ニューハンプシャー州上院選

○現職:民主党○資金調達で優位:評価は時期尚早

ニューハンプシャー州第1下院選挙区選出の民主党の現職議員クリス・パパスは、早い段階で党内の競合を事実上排し、資金面でも大きく先行している。これまで430万ドル(約6億8000万円)を調達し、手元資金も260万ドル約4億1000万円)に達している。つい最近まで、共和党の対抗馬は、マサチューセッツ州選出の元上院議員で、駐ニュージーランド大使も務めたスコット・ブラウンになるとみられていた。彼が集めた資金は約100万ドル(約1億6000万円)で、手元資金は80万ドル(約1億3000万円)だ。しかし10月になって、2008年を最後に公職から離れていた元上院議員のジョン・スヌヌが出馬を表明した。これにより、共和党内では予備選が接戦になる可能性が高まっている。スヌヌの資金調達状況は、近く公表される見通しだ。

テキサス州上院選

○現職:共和党○資金調達で優位:評価は時期尚早

共和党のジョン・コーニン上院議員は、2024年11月の党上院トップを決める院内総務選に僅差で敗れた後、厳しい選挙戦に直面している。党の指名争いには、テキサス州のケン・パクストン司法長官と、下院議員のウェスリー・ハントが名乗りを上げており、いずれもコーニンに挑む構図だ。現時点の手元資金ではコーニン陣営のほうが多いものの、調達額で見ると、2023年に州議会からの弾劾を退けたパクストンは、直近1年間で420万ドル(約6億6000万円)を集め、コーニンの330万ドル(約5億2000万円)を上回っている。

これについてコーニン陣営の広報担当者は、「コーニンは、パクストンとは異なり共和党の関連団体と資金を分け合う2つの別組織を通じても、数百万ドル(数億円)を集めている」と強調した。

民主党側では、州下院議員のジェームズ・タラリコがこれまでに630万ドル(約10億円)を集め、手元資金は500万ドル(約7億9000万円)に達している(タラリコ陣営は先日、10月1日以降に追加で680万ドル[約10億7000万円]を調達したと主張したが、現時点では連邦選挙委員会(FEC)への正式な報告は行われていない)。下院議員のジャスミン・クロケットは、民主党下院議員の中でも4番目に多くの資金を集めてきたが上院選への出馬表明は12月と遅く、具体的な数字が判明するのは次の四半期を待つ必要がある。ただし、9月末時点で下院選の陣営には460万ドル(約7億3000万円)の手元資金があり、これを上院選に振り向けられる可能性がある。

インサイド・エレクションズのゴンザレスは、「民主党の資金調達は、共和党が誰を指名するかに大きく左右される」と指摘する。そのうえで、「もし共和党がパクストンを指名すれば、民主党に勝機があると見なされ、全米から資金が流れ込むことになるだろう」と語っている。

アイオワ州上院選

○現職:共和党○資金調達で優位:共和党

ジョニ・アーンスト上院議員は再選には出馬せず、引退する見通しだが、彼女の後継候補となった共和党下院議員のアシュリー・ヒンソンは、資金面で順調なスタートを切っている。クック・ポリティカルのコヴィーが「資金集めの才能」と評したヒンソンは、直近1年で約320万ドル(約5億1000万円)を調達し、手元資金は400万ドル(約6億3000万円)に達している。一方、民主党側は、州議会議員のザック・ウォールズとジョシュ・チューレック、元海兵隊員のネイサン・セージが、いずれも1年で100万ドル(約1億6000万円)超を集めているものの、候補者を絞り切れていない。

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翻訳=上田裕資

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