働き方

2026.01.17 09:15

男性育休8割でも女性管理職1割 人的資本3年「制度だけ先行」の実態

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人的資本経営への注目が高まる中、企業は有価証券報告書などで人的資本に関する情報開示を進めてきた。制度整備は着実に進んでいるように見えるが、実態はどうなのか。

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人的資本データ分析プラットフォーム「Career Reveal」を運営するエフペリが、東証のCore30・Large70・Mid400企業を対象に、2023年から2025年までの3年間の人的資本指標を横断的に分析した。

男性育休は3年で16ポイント上昇

調査によると、男性育休取得率は2023年の61.7%から2025年には77.9%まで上昇した。1年ごとに約10ポイントずつ増加しており、制度として存在するだけでなく、実際に利用される段階に入ってきたことがうかがえる。

一方で、女性管理職比率は2023年の9.0%から2025年の10.1%へと、わずか1.1ポイントの増加にとどまった。男性育休取得率が急上昇する中、管理職構成の変化は緩やかで、登用・育成・評価といった組織構造に関わる指標は、依然として時間を要する状況にある。

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平均年齢は約42歳、平均勤続年数は約15年程度で横ばいとなっており、人的構成そのものに大きな変化は見られない。制度利用という行動面での変化が先行し、組織の構造変化がそれに追いついていない状況が浮き彫りになった。

浮かび上がる制度先行のリスク

調査では、制度整備・利用促進は着実に進展している一方、組織構造の変化を伴う指標は時間を要するという構図が明確になったと指摘する。

人的資本経営は「何を開示しているか」という段階から、「どの指標が、どの順番で変化しているか」を捉える段階に入りつつある。

このギャップが広がり続ければ、人的資本開示そのものが「数字を整えるだけの作業」になりかねない。開示義務化から3年。企業が問われているのは、制度の先にある組織変革への本気度なのではないだろうか。

【調査概要】
対象:東京証券取引所「Core30」「Large70」「Mid400」に含まれる企業(2025年10月改定前)
データソース:有価証券報告書、サステナビリティレポート等の公開情報
対象期間:2023年〜2025年(期)
主な指標:男性育休取得率、女性管理職比率、平均年齢、平均勤続年数

プレスリリース

文=池田美樹

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