新年の祝賀ムードが落ち着く中、AIが自律的に考え、行動することで、驚きに満ちた発明と挑戦が次々と生まれる一年が始まろうとしている。
AI分野における発言で筆者が注目している、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール准教授のイーサン・モリックが、新年早々、興味深い投稿を行った。MITとつながりを持ち、新技術に精通したモリックは、AIモデル「Claude(クロード)」に対し、「1000ドル(約15万8600円 )を稼げるスタートアップ案」をつくるよう依頼したところ、実際にそれを実現したという。
AIが提案したのは、「500個のすぐに使えるAIプロンプトを有料で提供する」というアイデアだった。この回答に対し、モリックは少し戸惑いを覚えたと語っている。
「AIはまず、私に3つの選択式の質問を投げかけ、その回答を踏まえて、プロフェッショナルユーザー向けに500個からなるプロンプトセットを39ドル(約6190円)で販売すべきだと回答した。その後、それ以上の指示を与えなくても、AIは1時間14分にわたり自律的に作業を続け、数百に及ぶコードファイルやプロンプトを生成した。さらに、怪しげなマーケティング文句で埋め尽くされた、プロンプトセットを販売するウェブサイトを作成・公開するための実行ファイルまで提供した」とモリックは書いている。
彼は購入ボタンを無効にしたが、1000ドルの売上は簡単に達成できたはずだと考えている。
「これがクロード・コード(Claude Code:アンソロピック社が提供)の実力だ。クロード・コードは新世代のAIコーディング支援ツールの一つであり、ここ1ヵ月ほどで起きたAIの飛躍的な能力向上を象徴している」とモリックは述べている。彼は、この進化の要因として主に二点を挙げる。一つは汎用的な自動化とエラー処理で、もう一つは彼が「エージェント的ハーネス」と呼ぶ仕組みだ。これは、AIが複数のツールを使い分け、人間の直接的な指示なしに自律的に作業の範囲を広げるものを指す。
ゲーム開発の設計から製造、出荷までAIにおまかせ
筆者は、友人に次のような質問を投げかけた。「AIはボードゲームを設計し、カードやボード、駒の印刷業者を手配し、製造や出荷の指示を出し、さらにオンラインでユーザーに販売するという一連のプロセスを自律的にオンラインで実現できるだろうか?」
友人の答えは、「適切なAPIさえあれば可能だ」というものだった。
AIが骨の折れる設計作業や、外部ツールに指示を出す仕組みは既に整っている。必要なのは接続性、すなわちモリックが言うところの「エージェント的ハーネス」だ。そして、その実現方法は簡単で、いくつかのシンプルなIFTTT(イフト)プロンプトを設定するだけでよい。



