米国時間1月9日夜、ドナルド・トランプ大統領がクレジットカード金利の上限を1年間、10%に設定するよう呼びかけたことを受け、12日の市場開始後、銀行株が下落した。これに加え、司法省が連邦準備制度理事会(FRB)を巡る刑事捜査を開始したとの報道を受け、主要株価指数も下落した。
12日の取引では銀行株が軒並み下落し、午前10時30分時点でシティグループは約3.5%安、JPモルガンは約2%安となった。
バンク・オブ・アメリカも下落し、同時点で約1.1%安となった。
主要なクレジットカード会社も値を下げ、午前10時30分時点でキャピタル・ワンは約6.9%安、シンクロニー・ファイナンシャルは約8.4%安、アメリカン・エキスプレスは約5.1%安となった。
決済処理会社も下落し、ビザとマスターカードはいずれも12日朝に約2%下落した。
主要株価指数も12日朝の取引開始後に下落し、ダウ平均株価が下げを主導して約0.25%安となった。
一方、S&P500種株価指数とナスダック総合指数は、FRBに対する捜査の報道があったにもかかわらず、下落をほぼ吸収し、おおむね横ばいで推移した。
トランプは9日夜、クレジットカード金利の上限を1年間、10%に設定するよう求めたが、この政策をどのように実現するのかは今のところ明らかになっていない。トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「20%から30%もの金利を課して米国民を『食い物にしている』クレジットカード会社を、もはや放置しない」と述べ、この政策を家計負担(アフォーダビリティ問題)の軽減策として位置づけた。こうした問題は、2026年の中間選挙を前に重要な争点になるとみられている。
ただし、トランプには単独で金利上限を設定する権限はなく、ウォール街では、こうした上限を課すために必要な法案が議会を通過する可能性は低いとの見方が強い。市場はまた、ワシントンD.C.にあるFRB庁舎の改修工事を巡る、FRBのジェローム・パウエル議長の議会証言に関する刑事捜査の報道にも反応したとみられる。
下落した銀行株とは対照的に、市場の変動局面で安全資産とされる金と銀は、12日に過去最高値を更新した。金価格は4627ドル台で取引され、銀価格は85ドル台半ばまで上昇した。



