経営・戦略

2026.01.13 11:00

パラマウント、ワーナーの支配権を巡り委任状争奪戦を開始

Mario Tama/Getty Images

なぜワーナーはパラマウントの提案を拒否したのか

WBDの取締役会は7日、パラマウントの買収提案を全会一致で拒否したと発表した。その理由について同社は、同提案は「依然として価値が不十分」だとし、「取引完了に対するリスクを生み、取引が成立しなかった場合に株主を保護する仕組みを欠いた、極めて多額の負債による資金調達」が含まれていると指摘した。

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パラマウントは、この取引を完了するために540億ドル(約8兆5400億円)の負債による資金調達を利用する計画だと述べている。WBDはまた、パラマウントの提案が、同社のケーブルテレビ事業を別会社として分社化するという同社の計画を停止させるなど、「事業運営上の制約」を課すことになるとも述べた。WBDは声明の中で、ネットフリックスの提案の方が依然として優れているとの認識を示している。

ネットフリックスの提案

ネットフリックスは2025年12月、WBDの映画およびテレビのスタジオ部門に加え、HBOおよびHBOマックスを買収することでWBDと合意したと発表した。この取引におけるWBDの評価額は827億ドル(約13兆700億円)で、1株当たり27.75ドルとされている。

ネットフリックスによれば、この取引は、WBDがケーブルテレビ事業を別会社として分社化した後に完了する見通しで、完了時期は2026年第3四半期になる可能性が高いという。なお、この取引は引き続き規制当局の承認を条件としている。

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ネットフリックスは、映画の劇場公開を含め、「ワーナー・ブラザースの現在の事業運営を維持し、その強みをさらに発展させる」方針だと述べている。ただし、このネットフリックス案に対しては、映画館に悪影響を及ぼすと考える一部関係者から反発の声も上がっている。

12月には、匿名の映画プロデューサーのグループが議会に書簡を送り、ネットフリックスの取引に反対するロビー活動を行った。書簡では、ネットフリックスが映画を劇場で短期間だけ独占公開した後にストリーミング配信することで、映画館を「破壊」しかねないと警告している。また、ネットフリックスは「劇場市場に事実上の締め縄をかけることになる」とし、この取引を「最高水準の反トラスト審査」で扱うよう議員らに求めた。

業界団体のシネマ・ユナイテッドも同様に、映画業界の寡占化に警鐘を鳴らす書簡を議会に提出し、「映画館は閉鎖され、地域社会は打撃を受け、雇用は失われることになる」と警告している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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