今日、専門的な職業に就いている人の大半は、人前で明かすかどうかはともかく、すでに何からの形でAI(人工知能)を使っているはずだ。2026年に直面する課題は、もはや誰がこうしたAIツールにアクセス可能かという点にはない。誰もがAIを使っている今、いかにして自分の存在価値を保つかが問題であり、この課題につながる2026年の目標設定を行うことが不可欠になる。
世界経済フォーラムの2025年版「仕事の未来リポート」では、雇用主が従業員に求めるスキルの中でも最も需要が高いものとして、創造的思考やテクノロジーに関するリテラシーに加えて、レジリエンスや柔軟性、アジリティ(機敏さ)が挙げられている。
こうした状況を背景に、自動化がより困難なさまざまな業界で、一連のスキルが、継続して重要視されている。以下に挙げる2つの目標は、自らの価値を保つために磨く必要があるスキルを反映したものだ。
2026年の目標その1:コミュニケーションスキルを磨く
巧みな構成のメールや、洗練されたサマリー、詳細な提案は、もはや抜きん出た能力を示す指標にはならない。AIの助けを借りられることを前提にすると、こうした成果物の作成は、今や当たり前になっているからだ。
そんななかでも差をつけるのに役立つのは、筋書きのない場面でのコミュニケーションの手法だ。
ミーティングの際に、提案の途中で、クライアントがもはやその内容に興味を抱いていないと気づいたとしよう。こんな時に、あなたは話題を変えることができるだろうか? また、チームメンバーの1人がアドリブで話し始めた時、あなたは機転を利かせて、このメンバーのセールストークに加わることができるだろうか?
AIは、メールの草稿を書いたり、提案の内容を整えたりする助けにはなる。だが、会議室が静まり返った時や、議論がまとまらない時に、それを察知することはできない。また、思考や話の途中で、状況に合わせて調整することもできない。こうした状況に対応できるのは、自らの話術やコミュニケーションのスキルに自信がある、生身の人間だけだ。
このスキルを身に付けるためのアクション
・ミーティングにおいて、1度は、事前にコメントを用意せずに意見を言う機会を設けるようにする
・スライドやメモなしで、自分の仕事を説明する練習をする
・議論した内容について、口頭でその場で要約する役割を買って出る(事後の確認メールではなく)
・即興演劇など表現力を訓練する「インプロ研修」を受け、臨機応変に対応するすべを学ぶ



