宇宙

2026.01.13 10:30

2月6日以降にNASAが4名を月へ、2026年はさらに5機が月面に着陸

(c)NASA

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早ければ2月6日、ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)から4人のクルーが打ち上げられ、54年振りに人類が月を訪れる。NASAのアルテミス2計画では有人宇宙船「オリオン」を超巨大ロケット「SLS」で打ち上げ、月の周回軌道に送り込む。また、2026年中には米中の無人機5機も月面着陸に挑む。

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アルテミス2は当初2021年に予定されていたが、幾度となく延期されてきた。2027年にはクルーを月面に降ろすアルテミス3も予定されているが、それも間に合いそうもない。この事態を立て直すべく米国は2025年12月、11カ月間にわたって不在だったNASA長官のポストにジャレッド・アイザックマン氏を任命。同時にトランプ氏は大統領令を発し、遅くとも2028年9月までにクルーを月面に到達させるようNASAに命じた。

一方で中国は、同国初となる有人月面着陸を2030年に予定し、そのスケジュールは前倒しされる可能性さえある。今年、中国は無人月着陸機「嫦娥7号」を月の南極に着陸させるが、それは月面に「水の氷」の所在を探るとともに、有人月面探査の着陸候補地を決定するための調査でもある。

強力な国家主導のもと、どの国よりもオンタイムで宇宙計画を推進している中国と、民間とともに多角的かつ持続可能な宇宙探査の実現を図る米国。どちらも2030年代に月面基地の建設を目指しているが、2026年にはじまるムーンレースは、その優位性を図るバロメータとなる。

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「地球から最も離れた人類」になる

SLSロケットとオリオン宇宙船の統合作業は、すでに昨年12月に完了している。全長98mにおよぶその巨体は、1月17日にケネディ宇宙センター(フロリダ州)のロケット組立棟(VAB)から搬出され、巨大なトランスポーターに載せられた状態で、6.4km離れた発射台(LC-39B)まで12時間かけて移動する。

発射台での各種チェックが完了すると、1月末にはWDR(ウェット・ドレス・リハーサル)が実施される。WDRとは、SLSに燃料を充填した状態で行われる最終打ち上げテストのことだ。打ち上げは2月6日以降。予定軌道に投入できる打ち上げタイミング(ウィンドウ)は限定されており、2月11日を過ぎると3月の同時期まで待つことになる。

2022年11月、月をフライバイするアルテミス1のオリオン宇宙船 (c)NASA
2022年11月、月をフライバイするアルテミス1のオリオン宇宙船 (c)NASA

2022年に実施されたアルテミス1では、無人のオリオンが月裏側の高度130kmをフライバイ(近接通過)したが、アルテミス2では約7400kmを航行する。この軌道によってクルーは地球から45万kmの遠方を航行することになり、アポロ13号が記録した40万171kmを超え、地球から最も離れた人類として記録される。月の裏側をフライバイしたオリオンはその後、推進装置を作動しなくても地球の重力によって引き戻される自由帰還軌道に入り、打ち上げから10日後に太平洋へ着水する予定だ。

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編集=安井克至

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