サイエンス

2026.01.15 18:00

「世界最大の動物」シロナガスクジラは、今も生物として可能な巨大サイズに向け進化し続けている

Shutterstock.com

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化石記録を見ていると、ひときわ明確に浮かび上がってくる進化のパターンがある。現代の哺乳類の大半は、氷河時代の祖先と比べて、体が大幅に小さくなっているというパターンだ。

ところが、シロナガスクジラ(学名:Balaenoptera musculus)だけは特異な例外のようで、このパターンに当てはまらない。シロナガスクジラは、ただ巨大であるばかりか、体がいっそう大きくなり続けているのだ。

その理由を知るための手がかりは、2012年に『PNAS(米国科学アカデミー紀要)』で発表された研究にある。哺乳類の身体的な大きさの進化に関する最も詳細な分析の1つであるこの研究で、研究チームは、クジラは地球上のほかのどの哺乳類グループよりも速いペースで体が大型化していると見られることを突き止めた。実際、クジラの進化「速度」は、陸生哺乳類のほぼ2倍に達している。

同研究では、7000万年に及ぶ進化過程における身体的な大きさを、以下の手法を用いて再構築している。

・哺乳綱に属する28の「目(もく)」の化石調査

・歯、頭蓋骨、四肢骨の大きさを基にした体格の推定

その調査結果は、無数の世代にまたがる歩みを物語っている。それ以上に重要なのは、生物学者を長く悩ませてきた疑問、つまり、「進化はいかにして、シロナガスクジラのような巨大な生物を作り上げてきたのか」という問いに対し、明確な答えを提示していることだ。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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