仏調査会社イプソスが9日公表した世論調査結果によると、米国が世界の道徳的指導者だと信じる米国民が過去10年間で激減していることが明らかになった。
調査は昨年12月上旬に米国で実施された。それによると、「米国は世界の道徳的指導者だ」と回答した米国人の割合はわずか39%にとどまった。この割合は、2017年には60%に上っていた。認識は支持政党によってばらつきがあり、共和党支持層の64%が依然として米国が道徳的指導者であると信じていたのに対し、民主党支持層では24%、無党派層では35%だった。
米国人の半数(50%)は、過去5年間で「米国は国際的な影響力を失った」と考えていた。これも支持政党によって見解が大きく分かれ、民主党支持層の72%が米国の影響力低下を指摘した一方、共和党支持層では26%にとどまった。「米国は影響力を増した」と考えていたのはわずか21%で、24%は「米国の影響力に変化はない」と答えた。無回答は5%だった。
世界一の経済大国はどこかとの質問に対しては、41%が米国だと答えたが、29%は中国だと回答した。世界一の軍事大国はどこかとの問いには、64%が米国だと回答。外交面でも38%が米国を世界一だと見なしていた。一方、世界の技術大国に関しては40%が中国だと回答し、23%の米国を大きく上回った。
今回の世論調査では、回答者の48%が「米国は他国の内政に干渉すべきではない」と答え、「米国第一主義」の外交政策を支持する米国民が増えていることが示された(本調査は、今月初めにドナルド・トランプ米大統領がベネズエラを攻撃する前の時点で実施された)。ウクライナ侵攻に関する質問に対しては、「米国がロシアを過剰に支援している」と答えた米国民の割合は47%に上り、37%が「米国はウクライナを十分に支援していない」と考えていた。
今回の世論調査は、他社が最近行った調査結果とおおむね一致していた。米世論調査機関ピュー・リサーチセンターが昨年5月に実施した調査では、米国人の52%が「米国の国際的影響力は弱まっている」と回答した。「米国の影響力が増している」と回答したのはわずか22%だったのに対し、「中国の影響力が増している」と考える人は73%、「ロシアの影響力が増している」と答えた人は47%、「イスラエルの影響力が増している」と答えた割合は38%だった。
「米国が世界中で尊敬されることが重要だ」と考える米国人は91%という圧倒的多数に上った一方で、「実際に尊敬されている」と答えた割合は56%とはるかに低かった。米世論調査会社ギャラップが昨年3月に行った調査では、「米国は世界に好印象を与えている」と考える米国民は45%と半数未満にとどまり、54%は「米国は世界に悪印象を与えている」と考えていた(2%は無回答だった)。
トランプ大統領の1期目の任期中の2020年2月にギャラップが実施した世論調査では、同大統領は世界から尊敬されていると思うかとの質問に対し、「そう思う」と答えた米国民は37%だった。これに対し、同大統領が政権の座に返り咲いた昨年2月に行われた調査では、同じ問いに対して「そう思う」と回答した割合は44%に上昇した。



