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2026.01.13 18:00

「行き詰まっている」、そう感じた時こそが内面の成長を示すサイン──心理学者が解説

Shutterstock.com

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人が経験する成長の中でも、最も意味のあるもののいくつかは、意識の及ばない水面下で起こる。そうした成長は、多くの場合、不快感や曖昧さ、あるいは時には後退しているかのような感覚として最初に表れる。実際、成長が人の中核部分で進んでいるときほど、その大きさを過小評価したり、まったく別のものとして誤解したりしやすい。

心理学者として、私はしばしば「行き詰まっている」と感じている人々に出会うが、そうした感覚が生じているまさにその瞬間にこそ、最も重要な内面的変化が進行していることが多い。これは、心がこうした変化を明確な形で知らせることがほとんどないためである。変化は、目に見える成果の変化としてではなく、特定の状況に対する反応の仕方の変化として、間接的に現れる。

本稿では、まだ自分では気づいていないかもしれない成長を示す、研究に裏付けられた3つのサインを紹介しよう。

1. 確信は弱まったが、柔軟性が増している

感情的な確信、あるいは正確にはその欠如は、成長を示す最も直感に反するサインの1つである。人は、回復や成熟が進めば、自分の反応や判断に対してより自信が持てるようになるはずだと考えがちだ。しかし、認知的・感情的発達に関する研究は、その逆を示唆している。つまり、人が成長するにつれて、世界に対する内的モデルはより洗練され、その結果として硬直性は低下する。

2022年に心理学分野の学術誌Frontiers in Psychologyに掲載された研究では、心理的成熟や知恵は、統合的思考能力の向上と関連する特性だと指摘されている。統合的思考とは、時に矛盾する複数の視点を同時に保持する能力を指す。

この変化によって、白か黒かという二分的な解釈への傾向が弱まり、代わりに条件付きで文脈に敏感な推論が可能になることが多い。これは長期的には意思決定や感情調整を改善するが、最初はそれが不安定さとして感じられる可能性が高い。

感情面では、これまでなら迷わず反応していた場面で、ためらいが生じることがある。反応する前に立ち止まり、自分の直感や衝動を疑うようになるかもしれない。以前は単純に感じられていた状況に対して、「自分はどう感じるべきなのか」が分からなくなることもある。

しかし、この感情的な曖昧さをすぐに解消しようとするのではなく、うまく付き合うことを学んだ人ほど、長期的には高い回復力と適応力を示す。そうした人は反応的ではなく、内省的であり、人間関係の変化にも柔軟に対応できる。

この意味で、確信が弱まることは、自分の足場がぐらついていることを意味しない。むしろ、意識的な確信が追いつかないほど、内的なフレームワークが急速に拡張している可能性が高いのだ。

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翻訳=江津拓哉

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