ウクライナ侵攻はロシアのエネルギー業界に壊滅的な打撃を与えている。新たな問題が浮上し、古い課題が山積する中、ロシアは2026年を迎えた。24年12月にシリアを失い、26年1月にベネズエラを失ったことは、ロシアの世界的野心が「裸の王様」であることを露呈した。ウクライナとの血みどろの戦いは多大な犠牲を伴っている。
経済成長の鈍化で予算は逼迫(ひっぱく)し、制裁と政治的孤立によって輸出市場は縮小している。ロシア政府が国内の経済難を戦場での勝利への強行軍で切り抜けようとする試みは、ウクライナ侵攻開始から4年が経とうとする中、先行きが不透明になるばかりだ。
欧州は口先だけの対応から実効性のある措置へと移行しつつある。中国は新たに得た影響力を行使してロシアの天然ガス供給を支配し、ロシア国営天然ガス企業ガスプロムの利益率を圧迫している。ロシア国内では防衛産業基盤の要求を満たすため、電力需要が拡大し続けている一方で、発電や送電網の拡張は遅れている。発電容量の増強が計画されているが、資本集約的であり、整備には時間を要する。こうした圧力はいずれも目新しいものではないが、26年にこれらが集中することで、ロシアは深刻な状況に陥る可能性がある。
1. エネルギー収入に依存する軍事予算
26年を迎えた今、ロシアのマクロ経済情勢は逼迫しており、エネルギー部門が台風の目となっている。同国の財政赤字は国内総生産(GDP)の約2.6%になると推定されており、欧州連合(EU)加盟国の25年の財政赤字の予測値であるGDP比3.2%を下回り、米議会予算局が予測する同6.2%より大幅に低い。しかしロシアの場合、赤字拡大は1%という低成長を伴っており、戦争を遂行するための支出増も続いている。
公開情報によると、ロシアの防衛費はGDPの8%と高い水準にある。同国の防衛費は1.3%の増額が見込まれているが、23~24年度の増額幅を大きく下回る見通しだ。実際には、防衛費がGDPに占める割合は相当高い可能性もある。なぜなら「闇予算」は報告されないからだ。同時に、高金利が投資と消費を抑制し続けている。これは、エネルギー施設が資本集約的であり、国家による資金調達と調整への依存度が高まっているため、重要な問題となっている。
より根本的な問題は、エネルギー資源の輸出がかつて税収を生み出す役割を果たしていた時代とは異なり、もはやその役割を担っていないことだ。ロシアが指標とするウラル原油は22年当時、1バレル76ドルで取引されていた。ところが制裁の影響で、同原油価格は25年に56ドルまで下がった。ロシア産液化天然ガス(LNG)は22年当時、百万英国熱量単位(BTU)当たり40.31ドルで販売されていたが、25年には12.49ドルまで下落した。



