欧州

2026.01.12 08:00

2026年はロシアのエネルギー業界にとって試練の年に

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原油、石油製品、石炭、パイプラインガス、LNGの取扱量は収入より緩やかな減少傾向にあるが、純利益は需給バランスや制裁に伴う値引き、輸送費や保険料の上昇、制裁を回避するための輸送経路の延長などによって圧迫されている。

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26年の世界石油見通しは問題をさらに悪化させている。供給が需要を上回り続けており、在庫は積み上がっている。国際指標の北海ブレント原油は1バレル55ドル前後で推移すると予想されている。このような環境下では、石油・天然ガス収入はロシアの歳入の22%強程度を占めるに過ぎない。これでは準備金を取り崩したりコストを他に転嫁したりせずに、戦争に重点を置いた予算を賄うには不十分だ。

2. ロシア産エネルギー資源からの脱却を決めた欧州

26年は、欧州のロシア産エネルギー資源からの脱却が、単なる政治的意図から法的強制へと進む年となる。25年に合意が成立したことで、EUはロシア産天然ガス輸入に対する法的拘束力のある制限を課した。ロシア産LNGのスポット取引は26年4月に停止される。短期契約に基づくパイプラインガス供給は同年半ばまでに禁止される。石油輸入は禁輸措置の対象となっている。

目的はロシア産エネルギー依存からの完全な脱却であり、一時的な調整ではない。欧州が自主的な削減や代替市場に頼るのではなく、明確な期限を課したのはこれが初めてとなる。EUは、これらは27年までに長期契約を含むロシア産天然ガスの輸入を完全に停止するための移行措置であることを明確にしている。

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3. ロシア産エネルギー資源の取引で優位に立つ中国

ロシア産化石燃料の世界最大の買い手となった中国は、原油と石炭では1位、パイプラインガス、LNG、石油製品では2位を占めている。中露の関係は26年末までに、ロシアの構造的な依存へと変化していくだろう。中国が主要な買い手としての地位を確立していることで、価格や数量、契約条件に対する影響力を行使できる一方で、ロシアの代替手段は限られているからだ。

原油はその不均衡を最も明確に示している。中国はこの状況を利用し、柔軟な数量、短期契約、割引価格を要求している。天然ガスと石炭でも同様だ。ロシアのガス業界にとって、26年は収入ではなく支出の年となる。ガスプロムは、ロシアと中国を結ぶ既存のガスパイプライン「シベリアの力」の設備投資を継続せざるを得ないが、短期的な収入の増加は見込めない。石炭輸出はさらに厳しい。中国向けの出荷は続いているものの、利益率は低いか赤字であり、輸送費用はロシア国営鉄道に大きな負担を強いている。同社は赤字の中国向け輸送を維持せざるを得ない状況に陥っている。

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翻訳・編集=安藤清香

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