ウラジーミル・プーチンによるインターネット遮断は、今や「規模と技術的な高度さの両面で前例がない」。取り締まりは「持続的かつ組織的で、全国規模のブラックアウト(完全な遮断)、特定サービスの選択的なスロットリング(帯域制限)、そして特定プロトコルへの標的型干渉を組み合わせている」。
プーチンのインターネット遮断は、組織的な弾圧として機能
これは「2025年のインターネット遮断のコスト」(the Cost of Internet Shutdowns in 2025)と題する新たな報告書が発した警告だ。同報告書は、プーチンの戦略が「ロシアを国別コスト表の最上位に押し上げ、2025年に記録された世界全体の経済的影響の合計の半分超を占めた」と結論づけている。
その「コスト」は、ロシア経済に与えた衝撃的な119億ドル(約1.9兆円)の打撃である。比較のためにいえば、2位のベネズエラへの打撃は、すでに荒廃した経済に対してより控えめな19億1000万ドル(約3016億)にとどまる。
「16KBカーテン」を展開することで、西側サイトへの接続を制限
報告書を公表したTop10VPNは、「特に注目すべき(ロシアの)戦術として、いわゆる『16KBカーテン(16KB Curtain)』があった」と述べる。これはCloudflare(クラウドフレア)がホストするウェブサイトやその他の西側サイトへのアクセスを、最初の約16キロバイトのデータのみを読み込ませることで制限するものだ。ブラックアウトではないものの、これによりほとんどの現代的なウェブサービスは事実上使用不能となる。部分的な接続性を維持しているように見せかけながら、広範な混乱を引き起こした」という。
これは、より広範なスプリンターネット(Splinternet、グローバルに統一されたインターネットが国家や地域ごとに分断・断片化していく現象)戦略の一部に過ぎない。この戦略には、グーグルやWhatsAppなど西側技術に対する部分的な禁止措置に加え、ロシアを西側から完全に切り離す主権インターネット(Sovereign Internet)への切り替えを可能にする「ビッグ・レッド・ボタン(緊急遮断スイッチ)」の脅威も含まれている。
この新たな報告書は、「Cloudflareは西側のウェブ基盤とオンラインサービスの相当部分を支えているため、このような形でそれを狙い撃ちにすることは、主権的な『RuNet(ルーネット。Russian Internetを意味する)』というロシアの構想に向けた、もう1つの具体的な1歩となった」と記す。
西側でも、インターネットの自由に対する脅威に警戒すべき
皮肉なことに、これは同時期に、西側におけるインターネットの自由もまた新たな、そして前例のない脅威に直面していることと重なる。ポルノ規制、ソーシャルメディアの禁止、年齢確認チェックの導入が進み、位置情報を隠すVPNの利用が急増している。かつては鉄のカーテン(旧ソ連)や竹のカーテン(中国)の向こう側にいる人々のものだったはずの手段が、皮肉にも広がっている。
ロシアについていえば、「これらの措置は、インフラ層での検閲へのより広範な転換を反映している。すなわち、情報へのアクセスを抑え、経済活動を損ない、回避を困難にするために設計された、持続的で技術的に精密な制限」なのだ。



