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2026.01.14 14:00

中国版OpenAIの「Zhipu」上場、創業者がビリオネアに

Avishek Das/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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「Zhipu(智譜)」として知られる中国のAIスタートアップ、「Knowledge Atlas Technology(北京智譜華章科技)」が1月8日、香港証券取引所に上場した。これにより、会長兼共同創業者の劉徳兵はビリオネアとなった。同社は、OpenAIのライバルとして注目を集めている。

現在49歳の劉は、CEO(最高経営責任者)の張鵬と共に2019年に同社を創業した。フォーブスが劉の保有するZhipu株の価値を基に算出した推定資産額は21億ドル(約3330億円)に達する。目論見書によれば、同社は新規株式公開(IPO)で3740万株を売却し、5億5800万ドル(約886億3000万円)を調達した。初期投資家には、アリババやテンセント、ヒルハウス、中国の大手ベンチャーキャピタルであるQiming Venture Partners(啓明創投)、中国政府系ファンドなどが名を連ねる。

Zhipuの時価総額は約75億ドル(約1兆1910億円)に達する。目論見書によれば、調達資金の大半は研究開発に充てる方針だという。株価は小幅高で取引を開始した後、終値は前日比13.2%高となった。午前中の取引では、一時的に公開価格を下回る局面も見られた。

Zhipuは、ChatGPTに類似したサービス「Z.ai」を展開している。同社にコメントを求めたが、回答は得られなかった。今回の上場は、中国の主要な生成AIスタートアップによる初のIPOとして注目を集めたものの、ムーアスレッド(摩爾線程智能科技)やMetaX Integrated Circuits(沐曦集成電路)、ビレン・テクノロジー(上海壁仞科技)といった中国AIチップ企業が上場時に記録した爆発的な株価上昇と比べると、初日のパフォーマンスは見劣りする内容だった。別の中国の生成AIモデル企業である「ミニマックス(MiniMax)」は、1月9日に香港市場への上場を予定している。

これらの企業は、中国政府が戦略分野と位置付ける領域で事業を展開している。IPOでは応募が数千倍に達し、香港や中国本土の証券取引所での上場初日には、株価が数十から数百パーセント上昇した。

証券取引所への提出書類によると、ZhipuのIPOにおける個人投資家向け割当分は1000倍以上の応募倍率を記録した。それにも関わらず、初値が比較的低調だった要因の一つとして、香港を拠点とするエバーブライト証券のストラテジスト、ケニー・ウンはエヌビディア製「H200」チップの使用制限に関する報道を挙げる。昨年末、トランプ政権は先進AIチップの中国向け輸出禁止措置を撤回したが、中国当局は現地テック企業に「H200」チップの発注停止を要請したと報じられている。一部企業には特定の商業用途での購入が認められる可能性もあるが、ブルームバーグは匿名情報源の話として、こうした規制強化が中国企業の事業展開を鈍らせる可能性があると伝えている。

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編集=朝香実

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