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2026.01.18 11:00

「仕事の未来」に関するギャップが、2026年に顕在化する理由

Shutterstock.com

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新年早々、私たちは間違った会話を繰り広げている。

1月は、お決まりの言葉で幕を開ける。生産性目標。AIロードマップ。効率化目標。より多くの成果、迅速な実行、より良い利益率を約束する変革計画。仕事を再開した組織は、戦略資料と、自信に満ちた展望によって活気づいている。

しかし、組織で働く人々は、何か言い表し難いものを抱えて仕事に戻る。感情がずれている、という感覚だ。日常業務はおなじみのものに見えるが、水面下で何かが変わりつつある。昨年の言葉では、もう自分たちの体験を説明できない、という思いが次第に強まっている。

なぜ2025年の言葉が通用しなくなったのか

仕事の未来は長年、主に技術の話として語られてきた。新しいツールが仕事の進め方を変える。スキルは更新が必要になる。生産性は加速する。適応した者が報われる。

2026年がこれまでと違うのは、AIが突然皆の仕事を変えたためではない。すでに日常業務にAIが深く組み込まれている人もいれば、試験運用や補助ツール、デモを見ている人もいる。そして多くの人は、仕事の未来に関するより広範な議論の中で、AIが話題に上がるのを聞いているだけだ。

しかし、その範囲全体にわたって、「仕事がリアルタイムで再設計されている」という共通の感覚がある。一方で、それが近い将来どのような姿になるのか、あるいは組織で働く人々にとって何を意味するかは、まったく明確になっていない。

理論の上では、私たちは仕事の再設計を行なっているが、実際に働くという体験そのものは再設計していない。

私たちは効率性について語るが、人々は関連性を求めている。私たちはタスクを最適化するが、仕事がその実行者に今何を求めているかについては触れない。私たちは生産性について語るが、人々は、アイデンティティや貢献、仕事と人生のコントロールについて静かに再交渉している。

こうした2つの会話の隔たりこそが、「2026年の仕事」を決定づける物語となっている。

「AIの到来」のばらつきと、待つことの不安

この瞬間を特に不安定にするのは、変容そのものではなく、その予感だ。

変化が現実のものになれば、人々は適応する。変化が遠いものであれば、人々は無視する。変化が不均一で避けられないものであれば、人々は待つ。

その待ち時間は、独特な体験を生み出す。

人々は、変化がいつ自分の役割に及ぶかわからない。仕事のどの部分がより重要になり、どの部分が重要でなくなるかもわからない。自分が早いのか、遅いのか、すでに後れを取っているのかもわからない。同僚やニュースの見出し、「職場でAIの導入が進んでいるように見える他の人たち」と自分を比べている。

日常業務が大きく変わらなくても、自信は徐々に失われていく。キャリアは依然として健全に見える。業績は堅調だ。表向きは何の問題もない。しかし水面下では、仕事のルールが説明もなく変わった、という感覚が広がりつつある。賢い人々ほど確信を失い、経験豊富なリーダーたちは、自らの存在意義を疑い始めている。

そうした不安は、個人的なものに感じられるかもしれないが、そうではない。それは集合的なシグナルだ。

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翻訳=米井香織/ガリレオ

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