(6)「副業スタッキング」が未来の波になる
ファングは「副業スタッキング」を次のように定義している。すなわち「1つのフルタイムの本業や1つの副業だけに頼るのではなく、収入源となる仕事を複数掛け持ちする働き方」のことだ。
「人は、特定の仕事に固定されたり、1種類の仕事だけに関わることを避けたいと考えています。複数の機会を活用すれば、賢い働き手は収入の振れを平準化し、さらに多くの機会を引き出せます」とファングは筆者に語った。
複数の副業と収入源によって、技術的なディスラプションと将来に備える
ファングによれば、Airtaskerは自社マーケットプレイスで、副業スタッキングが実際に伸びているのを確認しているという。
「フードデリバリーやライドシェアのアプリのような、より縦割りのプラットフォームとは異なり、Airtaskerは人々が新しいことを試し、新しい稼ぎ方の機会を作り出せるようにしています。単一種類のスキルに依存しなくてよいのです」とファングは述べる。
筆者はファングに、この副業スタッキングが2026年も続くと見ているか尋ねた。
「もちろんです!」とファングは答えた。
「人々は収入の得方についてより賢くなり、技術的なディスラプション(破壊的変化)と将来に備えたいと考えています。副業スタッキングは、そのための優れた方法です」。
スキル向上やクリエイティブな活動の機会
ファングはさらに、賢い働き手は複数の仕事を引き受けることを、新しいスキルを学び続けて時流の先を行くための手段だと捉えるようになり、その結果、より多く、より収益性の高い稼ぎの機会にアクセスし続けられるようになると推し広げる。
National Universityの労働力・コミュニティ教育担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるクリス・グラハムは、副業スタッキングには多くの側面があると述べている。経済的な理由に加えて、このトレンドは多くの場合、本業に満足していない従業員がクリエイティブな活動を追求したり、スキルを向上させたりするための出口となっている。また、フルタイムで働きながらスキル向上や学士号・修士号の取得のために教育を受けることで副業スタッキングを行っている人もいるとグラハムは付け加えた。
個々のスキルの価値を重視する方向へシフト
ファングは、副業スタッキングの拡大は、柔軟性、自律性、そして個々のスキルの価値を重視する方向への、より広範なシフトを反映していると示唆する。
「人々が自分のスケジュールで幅広いタスクを簡単に見つけ、価格を付け、完了できるツールを提供することで、Airtaskerは誰もが独自のスキルを複数の収入源に変えられるようにしています。安全な支払い、検証済みプロフィール、アプリ内コミュニケーションにより、このプラットフォームはポートフォリオ・キャリアを安全でシームレスに構築できるようにします。これは、今日、人々が働き、稼ぎたいと望む進化する姿を反映したキャリアです」とファングは主張する。
バーンアウト(燃え尽き症候群)などのデメリット
1人の人間が複数の仕事をスタッキングすることで、ファングがバーンアウト(燃え尽き症候群)などのデメリットを予見しているかどうか筆者は疑問に思った。
ファングは「バーンアウトは、フルタイムの正社員としての責任であれ、複数の機会のポートフォリオを引き受ける場合であれ、どんな仕事でも注意すべきことです。私はスタッキングのメリットを強く信じていますが、それは正しく行われた場合に限ります。そのためには、規律を持ち、境界線とガードレール(安全策)を設けることが重要です」と語る。
低迷する経済の中で、働き手が適応していくための新たな常態
筆者が取材した専門家たちは、今後数年間の副業の未来は明るいという点で一致している。副業は生き残るだけでなく、副業スタッキングへと姿を変えながら繁栄し、2026年以降も低迷する経済の中で働き手が適応していくための新たな常態になると彼らは予測している。


