北米

2026.01.09 14:00

ベッセント米財務長官、米国の大手石油会社は「ベネズエラに無関心」と発言

Michael M. Santiago/Getty Images

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スコット・ベッセント米財務長官は現地時間1月8日、米国の主要な石油会社はベネズエラに対して大規模な投資を行う意向がないと述べ、ドナルド・トランプ大統領が掲げる、米国政府と大手企業の主導でベネズエラの石油産業を再建するとの構想に暗雲が立ち込めた。

ベッセントはミネソタ州で開かれた経済クラブでの講演で、「取締役会を抱え、動きが遅い大手石油会社は、関心を示していない」と語り、トランプが約束してきた大規模投資の見通しと食い違う発言を行った。

一方で、別の方面からの関心はあるとし、財務省には「電話が鳴りやまない」ほど、「独立系の石油会社、個人、ワイルドキャッター」からの問い合わせが来ており、「彼らはすぐにでもベネズエラに行きたがっている」と述べた。

「ワイルドキャッター」とは、未開拓地域で試掘井を掘削する小規模企業や個人を指す。高リスク・高リターンの事業であり、有望な油井を発見する可能性はあるが、市場に大きな影響を与えるほどの大規模な生産能力は持たない。

このベッセントの発言は、トランプおよび政権内の関係者が、主要石油会社がベネズエラの膨大な石油資源に投資すると強調してきたことに対する懐疑論をさらに強めるものだ。

専門家は、ベネズエラ産の重質な原油を採掘することの難しさ、政治と経済の不安定さ、老朽化したインフラ再建にかかる高いコスト、石油会社がベネズエラ政府から未払いだと主張する債務、そして現在の低い原油価格といった障害を挙げ、大手企業の関与が確実だとは言えないと指摘している。

3日夜に行われた一連の作戦で米国がベネズエラ指導者のニコラス・マドゥロを拘束した後、トランプは、「世界最大規模の米国の石油会社が現地に入り、何十億ドルも投じて大きく破壊された石油インフラを修復し、国のために利益を生み出し始めることになる」と語っていた。

3社ある米国の大手石油会社のうち、ベネズエラで事業を行っているのはシェブロンのみである。コノコフィリップスとエクソンモービルは、ウゴ・チャベス元大統領が同産業を国有化した2007年にベネズエラから撤退した。

トランプは9日、ホワイトハウスでこの3大石油会社のトップと会談する見通しだ。

マルコ・ルビオ国務長官が7日に示した3段階の計画によれば、米国は新政権樹立を後押しするための圧力として、ベネズエラ産原油に対する管理を強化する方針である。ルビオは上院議員への説明後、「我々は今、すべての石油を掌握する取引を実行に移そうとしている最中だ」と記者団に語った。

トランプも今週、ベネズエラが直ちに3000万~5000万バレルの原油を米国に引き渡すと述べている。ルビオによれば、この原油は「市場価格で売却され、その後、腐敗した組織や政権ではなく、ベネズエラ国民の利益となる形で分配される」という。ニューヨーク・タイムズの報道によれば、ベネズエラの国営石油会社は、米国への原油売却について交渉中であることを認めた。

また、米国は7日、制裁対象タンカーの出入りを封鎖する措置をかいくぐったとして、カリブ海と大西洋でベネズエラ関連の石油タンカー2隻を拿捕した。トランプは、8日に掲載されたニューヨーク・タイムズのインタビューの中で、米国によるベネズエラの石油供給の管理は数年に及ぶ可能性があると述べた。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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