宇宙

2026.01.11 10:00

25光年先の恒星系内で微惑星の衝突、HSTが初の直接撮像

フォーマルハウトの周囲にあるリング状の星周円盤と塵の雲cs1およびcs2(拡大画像内)を捉えたハッブル宇宙望遠鏡の合成画像。比較のために2012年に撮影された塵の雲cs1と2023年撮影のcs2を同一画像内に配置している。フォーマルハウト自体は周囲のより暗い天体を検出するために中央の黒い円で隠されている(NASA, ESA, Paul Kalas (UC Berkeley))

フォーマルハウトの周囲にあるリング状の星周円盤と塵の雲cs1およびcs2(拡大画像内)を捉えたハッブル宇宙望遠鏡の合成画像。比較のために2012年に撮影された塵の雲cs1と2023年撮影のcs2を同一画像内に配置している。フォーマルハウト自体は周囲のより暗い天体を検出するために中央の黒い円で隠されている(NASA, ESA, Paul Kalas (UC Berkeley))

太陽系の近くにある太陽系外惑星系で発生した2回の激しい天体衝突がもたらした劇的な結果を、NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)が捉えた。みなみのうお座の1等星フォーマルハウトの近くにある謎の光源は、当初は惑星と間違えられていたが、実際は微惑星と呼ばれる岩石天体同士の衝突が別々の場所で2回起き、その残骸が明るく光って見えている現象であることが、今回の観測で確認された。

こうした衝突現象が太陽系外で観測されたのは今回が初めてで、この発見は系外惑星を探索する研究者への注意喚起として役立つ。今回の研究についてまとめた論文は科学誌Scienceに2025年12月18日付で掲載された。

フォーマルハウトの系外惑星が雲になる

2008年のHSTによる観測で、系外惑星フォーマルハウトbが発見された。大きさは木星の約3倍で、太陽と冥王星の間の距離の約3倍の軌道半径で主星フォーマルハウトを公転しているように見えた。だが、最近のHST観測では、この惑星が姿を消していて、その代わりに惑星系内の別の場所に新たな光点が現れるという結果となった。

この光点は惑星ではなく、キロメートル級の小惑星や微惑星の大規模な衝突によって生じたデブリ(天体の破片)の雲であると、研究チームは結論づけた。論文の筆頭執筆者で、研究責任者を務める米カリフォルニア大学バークレー校のポール・カラスは「太陽系外惑星系で光点がどこからともなく現れるのを目にしたのは確かにこれが初めてだ」と話す。「研究チームが所有する過去のHST画像のどれにも写っていない。このことは、非常に大きな天体同士の激しい衝突で巨大なデブリの雲が形成されたのをまさに目の当たりにしていることを意味する。これは現在の太陽系のどこにも存在しないものだ」

フォーマルハウト:塵まみれの恒星

フォーマルハウト星系は、広大で複雑につながったダストベルト(ダストや塵と呼ばれる固体微粒子が環状に集まった領域)で取り囲まれている。NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による2023年の観測では、フォーマルハウトの周囲で2つのベルト領域が見つかった。これらは太陽系の小惑星帯とエッジワース・カイパーベルトに類似したものである可能性がある。さらに、この観測で撮影された画像により、外側にあるベルト領域の内部に大きな塵の雲があることが明らかになった。この雲は天体衝突によって形成された可能性があると考えられた。

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翻訳=河原稔

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