欧州

2026.01.09 08:30

ウクライナがAI支援の攻撃ドローンを本格配備 ロシア軍の損害急増の一因か

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ウクライナはAI(人工知能)を搭載した攻撃ドローン(無人機)を大規模に配備しており、それらは驚異的なペースでロシア軍を撃破している。

民生分野では、AIは期待されたような成果を出せず脇に追いやられ、投資が細る「AIの冬」をたびたび経験してきた。軍用のAI支援ドローンも2024年に一度つまずき、同じ道をたどっている。当時、メーカー側はいろいろなことを謳っていたが、実際には成果に乏しかった。しかし現在、ウクライナは新世代の自動化攻撃ドローンを大量生産しており、それらは人間による最小限の監督で新たなレベルの破壊力を発揮している。

2024年:早すぎた導入

AI支援ドローンの第1世代は2024年初めに登場した。これらのドローンのシステムは、50ドル(約7800円)もしない「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」など可能な限り安価なハードウェアをベースに、人気の「YOLO」ソフトウェアのような市販の機械視覚(マシンビジョン)技術を多用していた。理論上は、操縦士が照準内に目標を捉えさえすれば、視覚システムがロックオンして攻撃を完遂できることになっていた。操縦士との通信を遮断するジャミング(電波妨害)の影響も無効にできる。

ところが実際には、実戦使用の準備が整っていない状態で納品されたシステムもあった。安価なFPV(一人称視点)カメラから出力される映像が粗すぎて、有効に機能しないものもあった。また、刻々と変化する場面にプロセッサーの処理速度が追いつかず、移動する目標のロックオンが困難なケースもあった。

そのため多くのFPVドローン操縦士は不満を抱き、ジャミングの影響で手動操縦が不可能な場合にしか自動誘導を使おうとしなかった。ウクライナ国家親衛隊のドローン部隊「タイフーン」の指揮官は筆者のインタビューで、初期のAIドローンの経験は「決定的なものではありませんでした」と語り、当面は熟練した人間の操縦士が不可欠との見方を示していた。

基本的なAIシステムは安価な半面、信頼性が低かった。一方、より高度なシステムは高価で、なかにはFPVドローン本体よりもはるかに高くつくものもあり、費用面で見合わないと判断された。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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