欧州

2026.01.09 08:30

ウクライナがAI支援の攻撃ドローンを本格配備 ロシア軍の損害急増の一因か

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ウクライナの軍事メディア、ミリタルニーの報道によると、TFLのAIドローン「ルピニス-10-TFL-1」の命中率はこれまでのところ90%以上に達しているという。オーテリオンは、自社のAIシステムについて初期配備の段階で命中率100%を主張していた。ウクライナ当局は、AIドローンの命中率をおよそ80%と見込んでいる。

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これらの数字から示唆されるのは、AIシステムは未熟な操縦士の命中率を大幅に引き上げ、およそ4倍に高めるということだ。他方、熟達した操縦士の場合、命中率の向上は小幅にとどまるのだろう。熟練の操縦士で、自分の仕事を機械のほうがうまくこなせると本気で信じている人はあまりいそうにない。

実際、操縦士側の抵抗は大きそうだ。

ウクライナの自律型ドローン分野のもうひとりの先駆者、Sine Engineering(サイン・エンジニアリング)のアンドリー・チュリクCEOは筆者の取材に「新しいテクノロジーの導入には大きな文化的障壁があります」と述べた。「FPVドローンの操縦士は制御権を譲るのを嫌がります」

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当然だろう。とくに、過去に初期の性能不足のAIシステムを使い、かえって自分のパフォーマンスを下げられた経験のある操縦士が拒否反応を示すのは無理もない。

一方、こうした障害を乗り越えるための取り組みも進められている。任務に成功したドローン操縦士に、Brave1のマーケットで使用できるポイントを付与する「e-ポイント」制度では、AIを用いた攻撃で成功した場合にボーナスポイントが与えられている。この制度は、操縦士に最も重要な目標を攻撃させるように促したり、攻撃ドローンを最も効率的な運用者に配分したりするのに非常に役立っている。

ロシア軍の損害が顕著に増加

TFLのドローンやシュミットのAIドローン「Bumblebee(バンブルビー)」、オーテリオンのスカイノードを搭載したドローンは、いまでは相当な数が戦場に姿を現している。ウクライナのTAFをはじめ、ほかのメーカーも数カ月前にAIドローンの量産に入ったと伝えられる。詳細な数字は公表されていないものの、これらのAI搭載ドローンは実際に効果をあげているもようだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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