ウクライナの開発企業のなかでとくに目立つ存在がThe Fourth Law(ザ・フォース・ロー、TFL)である。TFLは2023年にウクライナの連続起業家ヤロスラウ・アジュニュクによって設立されていたが、表舞台に登場したのは2025年7月のことだ。同社の主力製品は自律制御モジュール「TFL-1」である。サードパーティー製FPVドローンに追加すると目標ロックオン機能を付与できるキットで、専用カメラやAI処理ユニットが含まれる。価格は高度な夜間用カメラを追加すると上がるものの、基本モデルはわずか150ドル(約2万3500円)だ。TFLは、このモジュールを追加しても全体のコスト増は20%にとどまる一方、500m離れた目標のロックオンやジャミングの無効化といった新たな能力のおかげで任務成功率は2〜4倍向上すると主張している。
TFLのシステムは実地試験で高い評価を得ており、あるユーザーはフランス紙ルモンドのインタビューで、400m離れた移動目標にロックオンできることがすぐにわかったと語っている。
TFLは2025年9月初め、TFL-1が北大西洋条約機構(NATO)のコード化(標準化された分類システムへの登録)を受けたと発表した。同月15日には、ウクライナの大手FPVドローンメーカー、Vyriy(ブイリー)との提携も発表し、同社製ドローン「Vyriy 10(ブイリー10)」にTFL-1を搭載することを明らかにした。この新型機種「ブイリー10-TFL-1」の価格は448ドル(約7万円)に抑えられており、AI非搭載のFPVドローンに比べても十分に競争力のある水準となっている。
2026年:AIの春が到来
FPVドローンの有効性をめぐっては、さまざまな数字が飛び交っている。初期には命中率10%という数字がよく引用され、残りは電子戦やその他の要因で失敗するとされていた。ただ、一部の部隊はもっと高い命中率を報告し、70%以上とするケースもあった。
有効性は、ジャミングの規模や種類、訓練の水準や操縦士の技量、天候条件などに左右されるようだ。軍事メディア、ディフェンスニュースのエリザベス・ゴスリンマロ記者のインタビューで、タイフーン部隊に所属するドローン教官は、操縦士の命中率は初心者で20%、中級者で40〜50%、熟練者で70〜80%くらいだと説明している。


