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次々と世界的なヒット製品を開発する「現代のエジソン」たちが米中西部にいる。
有名企業が教えを請いに足を運ぶ、その研究所の革命的なビジネルモデルとは。


 「ノッティンガム・スパーク・イノベーション・センター」のビジネスモデルは極めて革新的だ。同社は、エジソン流に発明品を作ってから売り方を考えるようなことはしない。まず、彼らは企業に売れ行き不振の商品を持ち込むよう呼びかける。そして、その解決策を「発明」した後、顧客に支払い方法を選ばせるのだ。顧客は現金で月額12万ドル(約1,200万円)ほどの前金を渡すか、あるいは発売後に売り上げの最大5%のロイヤリティを支払うかの方法から選ぶ。頭金を多く払った分だけ、支払うロイヤリティの割合が下がる仕組みだ。創業以来、同社が開発した商品の売り上げは計450億ドル以上に上る。
 ノッティンガム・スパークは、株式譲渡による支払いも受け付ける。その一番の成功例が、米医療食品会社ドクタージョンズの依頼で開発した電動歯ブラシだ。他社が1本50ドル前後で販売していた当時、くるくる回るペロペロキャンデーにヒントを得た1本5ドルの電動歯ブラシを売り出した。2001年に米消費材メーカーP&Gが4億7,500万ドルでドクタージョンズを買収したとき、ノッティンガムとスパークの懐には4,000万ドルずつが転がり込んだと推定されている。

(中略)
拡大と移転を繰り返したノッティンガム・スパークは05年、母校の近くにある教会へ本社
を移した。丸天井の内陣と荘厳なパイプオルガンを備えた建築学的に重要な建物で、歴史登録財の指定も受けている。
 だがノッティンガムとスパークが惹かれたのは、その美しさではなく実用性にあった。教会の地下は試作品を作る工房に改装した。それまでは別々の建物で行っていた企画と開発の2つの作業を、1カ所でできるようになったのだ。
 まず、デザイナーやエンジニアらが一室で、消費者が商品を使う様子をマジックミラー越しに観察する。次に、問題点を書き出していく。例えば、液状胃薬のペプトビスモルの場合は、「適量は大さじ2杯なのに、たいていの服用者は小さじ2杯しか飲まない」という具合に、だ。
 その後、デザイナーたちは「ボトルキャップを計量可能なものにしてはどうか」といった風に解決策を練る。そして、アイデアを3Dプリンタを完備した工房で形にしていく。顧客は特許に加え、試作品も手に入れられる。ペプトビスモルは、計量キャップ付きとなった翌年、売り上げが30%も伸びた。このデザインは現在、さまざまな薬品のボトルに採用されている。
 生きていれば、エジソンもこうした世界を大きく変えるような発明品を大いに評価したに違いない。しかも、それがクリーブランドの教会の地下から世に出ていく。
ノッティンガムは言う。
 「変革のうねりが、中西部に戻ってきていますよ」

ダン・アレキサンダー

 

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