冬は天候を変えるだけではなく、私たちのパフォーマンスや生産性、判断力にも知らぬ間に影響を与える。日照時間が短くなり、気温が下がるにつれ睡眠の質が低下し、健康、仕事の効率、さらには長期的な回復力まで左右する要因となるのだ。とりわけ絶え間ないプレッシャーにさらされている人にとって、冬(特に多忙な年末年始)は疲労が蓄積し、判断力が鈍り、エネルギーの消耗を強いられる季節となる。
米国では昨年11月2日に夏時間が終わって以来、多くの人が環境の変化を感じている。朝は暗く、日没は早まり、日照時間が徐々に短くなっている。冬が深まるにつれ、いわゆる「冬の暗い日々」と呼ばれる時期に入り、日照時間が1年で最も短くなることで、睡眠や心身の健康への影響が目に見える形で表れてくる。
研究によると、日照時間の減少は私たちの心理状態や睡眠の質に大きな影響を与えるという。冬場に季節性感情障害(SAD、いわゆる「冬季うつ病」)を経験する人もいるが、これは自律神経や体内時計を調節するホルモン(セロトニン、メラトニン)の乱れにより起こるものだ。そのため、症状を緩和し、睡眠の質を上げるために薬に頼る人もいる。
また近年では、睡眠障害によるより広範な問題を明らかにした科学的エビデンスも積み上がってきている。すなわち、現代人における慢性的な睡眠障害の広がりと、健康への重大な影響だ。研究では睡眠不足・睡眠障害と、気分の落ち込み、記憶力・判断力の低下、さらに高血圧、糖尿病、肥満、うつ病、心臓病、脳卒中といった長期的な健康リスクとの関連性が明らかになっている。
気温が例年より早く下がり、暗闇が長く続く冬場において、快眠への努力はもはや選択肢ではなく、必須項目だ。ここでは睡眠の質を改善し、体力・気力を維持し、冬の数カ月を快適に乗り切るための、科学的根拠に基づいた3つの戦略を紹介しよう。
1. 睡眠の質を上げるのは、有酸素運動よりも筋トレ
定期的な運動が快眠につながることはよく知られているが、近年の研究では、運動の種類によって睡眠改善への効果が異なることがわかってきている。ジャーナル・オブ・ファミリー・メディシン・アンド・コミュニティ・ヘルスに掲載された最近の研究では、25件のランダム化比較試験(RCT)に参加した2170人のデータを分析。その結果、筋力トレーニングが、有酸素運動や、その両方を組み合わせた運動よりも睡眠の質を効果的に改善することが明らかになった。



