中南米で最も悪名高い独裁者を排除したことが、ドナルド・トランプ大統領が持つ暗号資産関連資産の価格を押し上げたようだ。
米軍によるベネズエラへの軍事介入は、南フロリダの反共産主義者の間でトランプの評価を高めただけでなく、他の中南米諸国との緊張を強め、さらにはグリーンランドやコロンビアを威嚇する姿勢を示す結果にもなった。そして、それだけでは終わらず、トランプ個人の資産をも増やした可能性がある。
しかもその要因は、トランプが強い関心を寄せている石油ではなかった。石油市場は、ニコラス・マドゥロを拘束した夜間のカラカス急襲作戦を、ほぼ意に介さなかった。トランプに新たな富をもたらしたのは、週末以降に好調だった別の資産クラス、すなわち暗号資産、とりわけ大統領と結びついた暗号資産である。トランプはそれを大量に保有している。フォーブスの推計によれば、ベネズエラ急襲以降、トランプが保有する暗号資産関連資産の価値は、合計で約1億4000万ドル(約218億4000万円。1ドル=156円換算)増加したという。
最大の押し上げ要因となったのは、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)の株式とみられる。同社株は米国時間1月5日の朝の取引で急騰し、その後も高値を維持している。大統領が保有する約1億1500万株は、6日の市場終了時点で、カラカス攻撃前と比べて約6300万ドル(約98億2800万円)分価値が増加しており、上昇率は約4%に相当する。
それはなぜか。TMTGは複数事業の集合体であり、ソーシャルメディア・プラットフォームのトゥルース・ソーシャルを保有しているほか、最近では核融合エネルギー企業との合併を発表し、ビットコイントレジャリー戦略やその他の暗号資産事業にも取り組んできた。
ビットコインは、金融市場全体とともに、マドゥロ失脚のニュースを受けてここ数日上昇しており、それがTMTGの株価を押し上げた可能性がある。別の説明としては、マドゥロ拘束のような目立つ外交政策上の勝利をトランプが収めた際、投資家が熱狂的に同社株に飛びつく傾向がある点が挙げられる。6月にイランの核施設への爆撃を命じた翌日にも、TMTGの株価は約4%高で取引を開始した(ただし、その上昇は長くは続かなかった)。



