経営・戦略

2026.01.08 14:00

ワーナー・ブラザース、パラマウントの修正買収案を拒否するよう株主に要請

Samuel Boivin/NurPhoto via Getty Images

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ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、同社の買収を目指すパラマウント・スカイダンスによる1080億ドル(約16兆9000億円)の修正買収案について、株主に対し拒否するよう求めた。

この提案には、億万長者のラリー・エリソンによる巨額の財務保証が含まれているが、同社は、ネットフリックスによるスタジオおよびストリーミング部門の買収提案の方が、依然として優れていると主張している。

ワーナーの取締役会は声明で、新たな提案が「依然として不十分である」と判断したと述べ、その理由として、提示された価値が不十分であること、ならびに「パラマウント・スカイダンスが提案を完了できる確実性が欠けている」点を挙げた。

この声明ではさらに、パラマウントの提案は、ワーナーのスタジオおよびストリーミング部門を対象とするネットフリックスの買収提案と比べて、優れているとは言えず、「比較対象にすらならない」と付け加えている。

デイビッド・エリソン率いるパラマウントは、2025年12月下旬に修正案をワーナー側に提示した。買収価格は1080億ドルに据え置かれたが、世界で4番目に裕福な人物でもあるラリー・エリソンが、400億ドル(約6兆2700億円)の資金提供を保証する内容が新たに盛り込まれた。

修正案では、取引が成立しなかった場合に支払う解約金も、従来の50億ドル(約7800億円)から58億ドル(約9100億円)へと引き上げられている。これにより、取引が破談した際にパラマウントがワーナーに支払う金額は増加する。

ワーナーは声明で次のように述べている。

「WBDは、PSKY(パラマウント・スカイダンス)が訴訟志向の強い取引相手であるとの見方を引き続き持っており、このことは、本提案(または関連する合併契約)が、提示された条件で完了する可能性について懸念を生じさせる」

12月下旬には、ワーナーが提案を受け入れない場合に備え、パラマウントが同社を提訴するいわゆる「デフコン1」戦略を策定していると、ニューヨーク・ポストが報じている。

ワーナーは株主宛ての書簡で、パラマウントの提案が「異例な規模の負債での資金調達」に依存している点を批判し、この買収が成立すれば史上最大のレバレッジド・バイアウトになると主張した。ワーナー取締役会によれば、パラマウントの時価総額は約140億ドル(約2兆2000億円)にすぎず、この取引を成立させるためには、約400億ドルの自己資本と約540億ドル(約8兆4700億円)の負債による資金調達が必要になるという。

さらにワーナーは、ネットフリックスとの取引が破談した場合に発生する28億ドル(約4400億円)の解約金について、パラマウントが確実に支払う保証を示していないと指摘した。加えて、「負債交換を完了できなかった場合」に発生する追加の15億ドル(約2400億円)の手数料や、3億5000万ドル(約549億円)の利息についても保証がないと主張している。

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翻訳=江津拓哉

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