気候・環境

2026.01.14 09:15

地震予知は「揺れる前」に。能登半島地震の前兆現象を解析へ

プレスリリースより

プレスリリースより

地震の発生を事前に察知することは、古くから人類の悲願だ。現在、私たちが受け取っている緊急地震速報は、実際に地震が発生し、その「揺れ」を感知した後に発信されるものである。しかし、もし揺れが来る前に、その兆候を科学的に捉えることができれば、防災のあり方は根本から変わる。そんな地震予知の実現に向ける研究が、京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授らのグループによって進められている。

注目されているのは、地上から約60キロメートル以上の高さにある「電離圏(電離層)」という領域だ。ここは太陽からの紫外線などによって空気が電気を帯びた状態(プラズマ)になっており、巨大地震の発生前には、この電離圏内の電子数(TEC)に異常な変動が生じることがこれまでの研究で指摘されてきた。

2024年1月1日に発生した能登半島地震でも、京都大学物理統計学分野研究室が地震発生当日の夜、電離層観測による速報をいち早く公開した。そこでは、電離層イオノゾンデ斜入射観測という手法を用い、地震発生の約2時間40分前という段階で、能登半島沖上空の電離層に異常(電離層の降下や周波数の変動)が生じていたことが報告された。この現象は、2011年3⽉11⽇の東北沖地震の1時間前にも現われており、大地震との関連性があることはわかっているものの、メカニズムまでは解明されていなかった。

2024年能登半島地震直前のイオノグラム(防災研究所潮岬風力実験所で観測)
2024年能登半島地震直前のイオノグラム(防災研究所潮岬風力実験所で観測)。⼆重化した歪曲した層が出現している

その後、2025年5月2日に研究グループは、この能登半島地震直前の電離層異常に関する詳細なメカニズムを解明し、学術論文として発表。最新の研究では、この電離層の解析を、従来の平面的な「2次元」から、医療現場のCTスキャンのように立体的に捉える「3次元」へと進化させている。

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文=飯島範久

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