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2026.01.07 16:00

米国のベネズエラ再攻撃、あるとすればどこを狙うか リスクは?

ベネズエラのデルシー・ロドリゲス暫定大統領。2026年1月5日、カラカス(Jesus Vargas/Getty Images)

代替案として考えられるのは、ロドリゲスに対する直接の「キネティック攻撃(ミサイルや砲弾などで運動エネルギーを利用し、物理的な破壊を伴う攻撃)」だ。この場合、米軍側にとってリスクはほとんど、あるいはまったくなく、かつ強烈なメッセージを発する格好にもなる。もっとも、米政府の構成員が政治的暗殺に関与することは大統領令で禁止されている。また、こうした行動がベネズエラをより従順にするかどうかも疑わしい。国際的にも激しい非難を招くだろうし、危険な前例をつくることにもなる。

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一方、より下位の指導部、とりわけ軍の指揮壕などに対する攻撃は、軍事的に有効であると同時に、政治的解決への反対を弱めるのにも有用と判断されるかもしれない。

残存する防空システムの破壊

次の攻撃で優先順位の高い目標カテゴリーになりそうなのは防空拠点だ。ベネズエラの防空拠点の一部は最初の攻撃でも目標になったが、多くは対象外だった。ジャミング(電波妨害)などの手段で地対空ミサイルシステムを一時的に無力化することは可能だが、米国が空での作戦行動の自由を確保しようとした場合、それらの恒久的な除去をめざすのはほぼ確実だ。

ベネズエラが保有していることが知られている防空システムには、ロシア製のブークやペチョラなどがある。いずれも射程数十kmの車載式・自己完結型システムだ。これらの防空システムは、レーダーを作動させた瞬間に位置を簡単に特定され得る。そのため熟練の運用要員は、接近する航空機を待ち伏せ攻撃するために、断続的に短時間だけレーダーを作動させることを心得ている。

これらの防空システムはおそらく、米軍の攻撃用航空機にとって大きな脅威にはならないだろうが、ドローン(無人機)を撃墜する能力は確実にある。ベネズエラに残存する防空システムを排除すれば、米国による空の自由の確保に寄与するとともに、米国の優位性を際立たせることにもなるだろう。

石油産業を残すか、壊すか

過去2年、ロシアで見られてきたように、45kg程度の弾頭を搭載した小型ドローンであっても、石油の精製・貯蔵・輸送施設に大規模な火災を引き起こし、大きな損害を与えることができる。ウクライナによるロシアの石油産業を狙ったドローン攻撃は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に圧力をかけるのに最も効果的な方策のひとつになっている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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