2. リモートワークは「深い仕事」を可能にする
オープンオフィスは、協働と創造性を高める場所として売り込まれてきたが、現実には集中力を破壊することが多い。深い思考や高い精度、持続的な集中を要する多くの業務にとって、同僚のざわめき、突発的な割り込み、周囲の雑音は、不必要に致命的な妨げとなる。
Journal of Business and Psychologyに掲載された2024年の調査では、自宅勤務日とオフィス勤務日のパフォーマンスを比較した結果、平均的にリモートワークは職務パフォーマンスの向上と関連していることが示された。
騒がしい環境や社会的刺激が強い場で集中しづらい人にとって、リモートワークは単に「楽な働き方」というわけではなく、実際に認知的な明瞭さとアウトプットを高めるものだ。環境やスケジュールを自分好みに調整し、エネルギーが高まる時間帯に「深い仕事」をまとめて行い、常に存在するオフィスでの喧噪を避けられることで、オフィスでは得られないほどの集中的な生産性が生まれることが多い。
3. リモートワークはメンタルヘルスを改善する
前述の2025年の調査では、心理学の「自己決定理論」の枠組みを用い、在宅勤務が次の基本的心理欲求を繰り返し満たしていることが示された。
・自律性(自分でコントロールしているという感覚)
・有能感(効果的に、能力を発揮できているという感覚)
重要なのは、これが全体的な幸福感の向上につながり、同僚に対する向社会的行動の増加さえももたらした点である。多くの人にとって、オフィスは社会的な比較、過剰な刺激、そして自分を取り繕う圧力の源である。リモートワークの日は、こうした慢性的なストレス源を取り除き、急速に消耗する心理的資源を回復させる。
特に在宅勤務の恩恵を受けやすい集団として、次のような人々が挙げられる。
・高い感受性を持つ人
・神経学的なマイノリティに当たる人
・慢性的な健康問題を抱える人
・介護者や親
・内向的な人
神経系の働き方が「オフィスの標準」から外れている場合、リモートワークはより穏やかで支援的な環境を提供する。
4. リモートワークはワークライフバランスを守る
毎朝の通勤といったオフィス勤務に必ず付随するものは、ワークライフバランスを乱しやすい。通勤は「仕事の一部」に過ぎないと片付けられがちだが、その心理的コストは想像以上に大きい。毎日2回、それに費やす時間、エネルギー、精神的負荷は、特にリモートワークに向いた性格の人にとって、大きな消耗要因となる。
27カ国の労働者を対象とした大規模な国際調査では、リモートワークによって通勤時間が削減され、1日平均72分が節約されることが分かった。興味深いことに、その「取り戻された」時間の多くは消えていなかった。およそ40%が仕事に、34%が余暇に、11%が介護やその他の個人的活動に振り向けられていた。これが数週間、数カ月と積み重なると、この72分は大きな差となる。
より良いワークライフバランスを求める人にとって、その時間の節約は人生を変える可能性がある。睡眠、きちんとした食事、日中の休憩、運動、個人的な趣味のための重要な時間が1日の中に生まれるからである。この意味で、リモートワークは単に日々の業務の組み立て方を変えるだけでなく、生き方そのものを変え得る。介護の責任を負う人や慢性的な疲労を抱える労働者にとって、この柔軟性はとりわけ大きな力となる。


