米国がニコラス・マドゥロを拘束してから数日が経った現地時間1月6日、ドナルド・トランプ大統領は、ベネズエラが米国に対して3000万〜5000万バレルの原油を引き渡すと発表した。
トランプは、マドゥロ退場後の現在は副大統領のデルシー・ロドリゲスが主導するベネズエラの暫定政府が、この量の原油を提供することで合意したと述べた。
原油の引き渡しは「即時」に実施されるとしており、原油は直接、米国の港湾施設に運び込まれるという。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を保有しており、未開発の埋蔵量はおよそ3000億バレルに達すると推定されている。
トランプは、ベネズエラの石油インフラ再建は米国にとって一切の費用負担を伴わないと主張しており、ベネズエラから取得した原油を販売して得られる収益は、同国のインフラ整備に充てられると述べた。とりわけ石油関連施設に関しては、インフラの劣悪さが際立っているという。
専門家によれば、少なくとも短期的には、これによって米国のガソリン価格が下落する可能性は低いとされている。燃料価格情報プラットフォームを運営するガスバディで、石油分析部門を統括するパトリック・デハーンは5日、マドゥロの拘束は、ベネズエラの指導体制を巡る不透明感から、原油価格をわずかに押し上げる可能性があると述べた。一方で、ベネズエラの原油生産が将来的に増加すれば、長期的には世界の原油価格を押し下げる可能性があるとも指摘している。特に「米国が老朽化したベネズエラのインフラへの投資拡大に成功した場合には、その影響が顕著になる」と付け加えた。
ベネズエラは石油埋蔵量で世界をリードする立場にあるにもかかわらず、その地位は、石油産業への投資不足と劣悪なインフラによって損なわれてきた。さらに、米国による同国の石油市場へのアクセスに対する制裁も、事業活動を困難にしている。バラク・オバマ元大統領とトランプはいずれも、ベネズエラ産原油に対してそれぞれ独自の制裁を科してきた。加えて、ベネズエラの原油は粘度が高く密度が大きいため、採掘や精製にかかるコストも高い。
マドゥロの追放を受け、5日には主要な石油関連株に買いが集まり、シェブロン、エクソン・モービル、コノコフィリップス、バレロといった企業の株価はいずれも2%以上上昇した。



