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2026.01.07 13:00

銀価格が再び史上最高値に接近、中国の輸出規制と米国によるマドゥロ拘束で

Jagdish Agarwal/Dinodia Photos/Getty Images

Jagdish Agarwal/Dinodia Photos/Getty Images

銀価格は米国時間1月6日、再び80ドルの水準を上回った。中国による銀輸出規制が発効し、さらに米国がベネズエラのニコラス・マドゥロを拘束したことを受けて貴金属の価格が上昇する中、銀は12月に記録した史上最高値に近づいている。

米東部時間6日正午時点で、銀価格は約80.73ドルとなっており、5%を超える上昇を記録している。

今回の上昇は、先週、12月下旬に付けた約83ドルの史上最高値から最大で8%下落していた銀にとって、再び大きな上昇となった。

アナリストによれば、今週の銀価格の上昇は、世界有数の銀生産国である中国が新たな輸出規制を導入したことに加え、米国によるマドゥロ拘束を受けた世界的な不確実性の高まりがその背景にあるという。

テクノロジー分野からの需要、世界的な不透明感、そして米連邦準備制度(FRB)による利下げなどの要因により、銀価格は2025年に150%上昇した。

金価格も6日朝に比較的緩やかな上昇を見せ、約1%上昇して4483.20ドルの値をつけた。

中国は、銀の輸出を認める企業を44社に制限した。パンミュア・リベラムでコモディティ戦略責任者を務めるトム・プライスは、ニューヨーク・タイムズのディールブックに対し、この措置は「国内に余剰を生み出す」ことを意図したものだと語った。プライスは、輸出規制が銀価格の上昇を加速させる可能性があるとしつつも、「おそらく、この禁止措置はすでに市場に織り込まれている」とも述べた。

世界一の富豪であるイーロン・マスクは、中国による輸出規制に反発している。マスクはXへの投稿で、「これは良くない。銀は多くの産業プロセスで必要とされている」と述べた。銀はEVやAIデータセンターなど、多くの技術産業にとって不可欠とされている。一部のアナリストは、今回の輸出規制を中国が過去に行ったレアアース輸出規制と比較している。需要の高いレアアースに対する中国の支配力を維持しようとするこの規制は、レアアースの価格急騰を招いた。

また、一部のアナリストは、直近の金と銀の価格上昇について、米国によるマドゥロ拘束とも関連付けている。マドゥロは現在ニューヨークで起訴されており、ドナルド・トランプ大統領は米国がベネズエラを「運営する」と表明している。KCMトレードのチーフ市場アナリストであるティム・ウォーターはロイターに対し、「ベネズエラでの出来事が安全資産に対する需要を再燃させ、地政学リスクから身を守ろうとする投資家の動きが金と銀に恩恵を与えている」と語った。ベネズエラでの急襲作戦は、エネルギー企業株の上昇も引き起こしている。

また、ブルームバーグは、米国によるグリーンランド併合発言をめぐって米国と欧州諸国の間で緊張が高まっていることなど、他の地域での国際的な不確実性も、貴金属の価格急騰の背景にあると報じた。欧州諸国の指導者らは先日、米国に反発するデンマークへの支持を表明し、同国のメッテ・フレデリクセン首相は、米国によるグリーンランド併合は北大西洋条約機構(NATO)同盟の終焉を意味するとの見解を示した。

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翻訳=江津拓哉

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