インスタグラムの月次アクティブユーザー(MAU)が4億人を突破した。9月22日の発表によると、ここ9ヶ月間で新規ユーザーが1億人増加。MAUが3億1600万人のツイッターを大きく越えた。
2012年にインスタグラムを10億ドル(約1200億円)で買収したフェイスブックにとっては、安い買い物だったと言える。リサーチ企業のeMarketerは最近、インスタグラムの広告売上が2016年に15億ドル(約1800億円)、2017年には28億ドル(約3350億円)に到達すると予想した。
新たな1億人のユーザの内、半数以上が欧州とアジアに住んでいる。新規ユーザ獲得に最も貢献している国はブラジル、日本、インドネシアだ。8000万以上の写真が毎日シェアされており、6月の7000万から増加している。同社は2年前に広告事業を開始し、今月初めには30ヶ国以上に事業を拡張した。
「インスタグラムが5年前に始まった時には、4億人は遠い夢のように感じた。今、我々はインスタグラムの改善に努力し続けている。画像を通してユーザが世界と繋がることを助けていきたい」と同社は公式ブログで述べた。
インスタグラムは長い間、ツイッターの競合と見られてきた。ツイッターはインスタグラムがフェイスブックに2012年に売られる前に、インスタグラムを買収しようとしたこともあった。しかし、今やツイッターは新規ユーザの獲得とサービスの拡張に苦心している。
ツイッターの暫定CEOであり、決済会社SquareのCEOであるジャック・ドーシーは7月、同社の開発スピードが不十分であることを示唆し、社員らが同じビジョンに向かって一致団結する必要を説いていた。
ツイッターはLightningと名付けた人力キュレーション機能を今年後半にリリースすると発表した。しかし、もう手遅れかもしれない。インスタグラムは6月の時点で既に、新たなライブ・イベントの機能をExploreに実装した。この動きはリアルタイムでの会話やトレンドの情報源としてのツイッターに挑むものだ。
ツイッターは一般的にニュースの情報源として知られ、インスタグラムはより私的なソーシャルプラットフォームとして見られている。しかし、両社のアプリの違いはツイッターがよりビジュアルになり、インスタグラムがイベントに注力することにより、その差が曖昧になりつつある。
フェイスブック CEOのマーク・ザッカーバーグはインスタグラムをツイッターの競合として表現することを厭わない。ユーザー数が4億人を突破したことを記念し、インスタグラム創業者のケビン・シストロムはマーク・ザッカーバーグに同社の屋上に招かれ、その栄誉を賞賛された。
「ケビンとマイク、それにインスタグラムのコミュニティが新たなマイルストーンへ到達したことを祝福したい。ケビンと私は屋上で散歩しながらインスタグラムの将来について話し合った。さらなる旅路に興奮している」とザッカーバーグは自身の投稿に記した。
インスタグラムは今年目覚しい成長を見せたフェイスブックの製品群の1つだ。フェイスブックのメッセージングサービスであるMessengerは3月の6億人から、7月には7億人のMAUへと成長した。2014年に190億ドル(約2兆2700億円)で買収したメッセージアプリのWhatsAppは9億人のMAUを誇る。
フェイスブックは今のところMessengerとWhatsAppの収益化には着手していない。しかし、インスタグラムはフェイスブックにとって有用なテスト基盤であり、メッセージアプリの収益化を狙う同社にとって大きな手助けとなるはずだ。
ツイッターをさらに窮地に追い込むのが、他の若いソーシャルアプリ企業だ。SnapchatやKik、ビデオアプリのDubsmashも急速に成長し、動画シェア機能を重視してミレニアル世代の支持を得ている。