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2026.01.08 17:00

「◯◯時代に生まれていたかった」が意味するもの──実生活での活かし方を心理学者が解説

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性格特性と時代の好み

確立されたいくつかの性格次元がこうした好みを説明する助けとなる。

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例えば、内向性/外向性の次元を考えてみよう。極めて外向的な人は社会的交流や集団目標、社会生活が豊かな環境で力を発揮する傾向がある。そのため、共同体の儀式や市民参加、共有された文化的運動が特徴の時代にひかれる。

一方、内向的な人は孤独や私的な知的活動と結びついた時代を理想とするかもしれない。

あるいは、性格特性理論「ビッグファイブ」の1つの特性である「経験への開放性」を考えてみよう。開放性が高いことは好奇心や想像力、曖昧さ耐性と関連している。開放性が高い人は、実験やディスラプションが特徴の時代にひかれる傾向がある。開放性が低い人は通常、安定性や継続性、伝統を好み、開放性が高い人とは異なる時代にひかれる。

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思考スタイルも影響する。実証的証拠や体系、論理を自然に優先する人もいれば、直感や感情的な意味合いをより重視する人もいる。こうした差異は、科学主導の時代と精神性重視の時代のどちらに共鳴するかを示すものとなり得る。

ノスタルジアの役割

昔の時代にひかれるということに関しては、ほぼ常に選り好みのノスタルジアで物事をとらえている点に留意すべきだ。私たちは自身の気質に合致する側面に焦点を当て、合致しない現実をうやむやにする。心理学者はこの傾向を「ロージー・レトロスペクション(バラ色の回顧)」と呼ぶ。

心理学的見地からはこれは欠陥ではなく、一種のシグナルだ。可能な限り楽観的思考を実践する方が良い。さらにノスタルジアは調節機能を持つ感情として働く。意義を感じる感覚や社会的なつながり、自己連続性を高める効果があることが研究で示されている。別の時代に生きる自分を想像する時、ある意味、今欠けているものを明確にしているのだ。

こうしたことから、「どの時代に生まれていたかったか」という問いは実は「どんな世界であれば最高の自分になるか」という深い問いを表している。

この気づきを現実で活かす

よく作られた心理テストは運命を予測するものではなく、文字通り受け取るべきではない。だが体系的な自己反省の強力なツールとなり得る。

内省の真の価値は、何世紀も前に生まれていればと願うことにあるのではない。洞察を行動に移すことにある。

もし共同体で定義される時代に共鳴する自分に気づいたら「今、どこでより大きな共同の目的を育めるだろうか」と自問してみよう。

瞑想的でゆったりした時代にひかれるなら、現在の暮らしでペースを落とすために何を変えられるか考えよう。革新的な時代にひかれるなら、どうすればより実験的になれるか、あるいは現在の暮らしに創造的なリスクをもう少し加えられるかを考えてみるといい。

つまり、時代を変える必要はない。構造を変えればいい。

たとえそう感じられない時があっても、現代生活は驚くほど柔軟だ。自分が適応できる心理的な「時代」を理解することは、自分にもっとしっくりくる人生を形成するのに役立つ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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