宇宙

2026.01.07 10:30

新発見の特異な天体現象、史上初の「スーパーキロノバ」検出の可能性

スーパーキロノバの最終段階を描いた想像図。中性子星が合体してキロノバを引き起こし、重元素が合成されて赤色光で輝く(Caltech/K. Miller and R. Hurt (IPAC) )

スーパーキロノバの最終段階を描いた想像図。中性子星が合体してキロノバを引き起こし、重元素が合成されて赤色光で輝く(Caltech/K. Miller and R. Hurt (IPAC) )

宇宙で初めて観測された可能性のある「スーパーキロノバ」と呼ばれる現象を検出したとする研究結果が発表された。この特異な宇宙現象は、連続する2回の爆発が関係しているようだ。超新星(大質量星が一生の最期に引き起こす爆発)に続いてすぐにキロノバが起きると思われる。キロノバは、高密度の中性子星連星が衝突合体して引き起こされる爆発だ。こうした現象は以前に理論化されていたが、これまで一度も検出されたことはなかった。

2025年12月に天文学誌The Astrophysical Journal Lettersに掲載された、今回の研究をまとめた論文では、2025年8月にさまざまな種類の望遠鏡で最初に検出された「AT2025ulz」と呼ばれる現象の分析を行っている。

2回の爆発の物語

超新星とキロノバは、天文学における重大な現象だ。なぜなら「恒星の材料」を銀河全体に拡散させるからだ。超新星は星が起こす大爆発により突如として明るく輝きだす天体で、主に2つのタイプがある。1つは大質量星の一生の最期に起きる爆発現象で、核融合の燃料を使い果たした星の中心核が崩壊して爆発するもの。もう1つは、星の表面に物質が蓄積し、そこで核融合の暴走が起こることで爆発するものだ。

超新星で発生する衝撃波により、炭素や鉄などの元素が合成され、ばら撒かれる。キロノバは、2つの中性子星(超新星爆発後に残される高密度天体)が衝突合体することで起き、金やウランなどの重元素が合成される。さらには、地球の検出器で検出可能な重力波を発生させる。


重力波を捕捉

米国の重力波検出器LIGOとイタリアの検出器Virgoが2025年8月18日に重力波信号を捉えたことが、AT2025ulzの検出につながった。この重力波のデータは、2つの天体が合体したこと、そして少なくともその一方が異常に小さいことを示唆していた。米カリフォルニア州にあるパロマー天文台で運用されているツビッキー突発現象観測施設(ZTF)や、米ハワイ島のW・M・ケック天文台などの光学望遠鏡で、約13億光年先にある急速に減光する赤色天体としてキロノバが検出され、その数日後に超新星が観測された。

次ページ > 高速自転する恒星の超新星爆発

翻訳=河原稔

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事