アートフェア「フリーズ・ロンドン(Frieze London)」は2003年、非常に明確なビジョンとともに創設された。目指したのは、規模の大小、一流であるか新興であるかなどを問わず、ギャラリーが並列で作品を紹介するためのプラットフォームを作り、フェアのキュレーションを通じて、オーディエンスに新たな作品と出合う機会を提供することだった。
それからおよそ20年の間に、このフェアはマーケットプレイスとして、そして文化のバロメーターとして、世界で最も大きな影響力を持つアートイベントの1つとなった。

フリーズは現在、ロンドンのほかロサンゼルス、ニューヨーク、そしてソウルからアブダビまで、年間を通じて世界各地でフェアを開催。アート・バーゼルやアート・バーゼル・パリ+、地元のアーティストやギャラリー、コレクター向けに開催され、年々その数を増やしている各地の関連イベントと競い合っている。
そのフリーズのアーティスティック・ディレクター、パリ郊外で生まれ、経済学と美術史を学んだイヴァ・ラングレイのキャリアは、「過小評価されている声」に力を注ぐギャラリーや関連機関で働くことからスタートした。
2019年にフリーズ・ロンドンのディレクターに就任した後、欧州と中東、アフリカでのフェアも担当するようになった彼女のその初期の経験は今も、「アートは公平さと実験、交流の場である」との信念を支えている。
アートがその重要性をさらに増すなかで、ラングレイはフェアの経済性とキュレーションのバランスを取ること、フリーズを対話の場として位置付けることのどちらにも、積極的取り組んできた。
現在のような混乱の時代に、アートはいかに開放性を高め、対話を守ることができるのだろうか。目標達成に向けたアプローチについて、ラングレイに話を聞いた。
──2019年にアーティスティック・ディレクターに就任して以降、このフェアに対する見方はどのように変化しましたか?
就任した当初は、ロンドンのクリエイティブ・コミュニティとアーティスト、関連機関との関係を深めていくと同時に、どのようにして各国から人が集まる場であり続けるかということに焦点を当てていました。



