リーダーシップ

2026.01.09 12:00

2026年、「もう使うべきではない」6つのビジネス用語 本来の意味が失われている

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4. アラインメント(整合性)

これはきつい。アラインメント(整合性、足並みを揃えること)は実際に重要だからだ。問われているのは、私たちがこの言葉をどう扱ってきたかだ。

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1900万件の会議を分析したDoodleのレポート(2019年版)によると、米国の企業は非生産的な会議で年間3990億ドル(約62兆円)を失っている。上級管理職は週に約23時間を会議に費やし、71%が非生産的だと感じている。

そして、それらの会議のほとんどが何について行われているのかというと、アラインメントだ。

しかし「アラインメント会議」に足を踏み入れ、実際に何が起きているかを見てみるといい。すでに決定された事項を誰かが提示し、数人が明確化を求めつつも実際には何も明らかにしない質問をする。リーダーが少し言葉を変えて決定事項を再び述べ、全員がうなずく。そして会議は終わる。参加者は会議に入る前とまったく同じ認識のままだ。ただ、公の場で異議を唱えるのは気まずいという思いが少し強くなるだけだ。

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組織は完璧なアラインメントを追求するのに数か月を費やすが、その間に競合他社は動き出す。認識のギャップが調査で明らかになっている。高い階層にいる経営陣は、自分たちが作った自社の目的との結びつきを強く感じている一方、日々の業務や具体的な業務を遂行する現場の従業員はそこまでの熱量や納得感を持ってはいない。これはアラインメントではない。異なる高度で交わされる2つの異なる会話に過ぎない。

代わりに求められるもの

適応を許容する姿勢を伴う方向性の明確さ。あらゆることに関して全員の同意を得ようとするのはやめよう。目指す方向やその重要性、進捗の確認方法などの戦略は厳密に設定し、戦術は柔軟なものにしたい。具体的な方法はチームに任せる。「一致しているか」が問題ではない。「目指す方向と途中で行う重要な確認について合意しているか」が本質だ。それ以外は実行の問題だ。

5. イノベーション

誰もが革新的でありたいと願う。しかしほとんどの人がそうではない。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の2024年の調査で、イノベーションの目標を達成する準備が整っている企業はわずか3%で、2022年の20%から減少していることが示された。

さらに深刻なのは、イノベーション活動が止まっていない点だ。パイプラインを通過するプロジェクトの数は安定している。BCGはこれを「ゾンビ」イノベーションシステムと呼ぶ。ビジネス戦略とイノベーション戦略の連携が崩壊したまま、形だけ活動している状態だ。この2つの戦略が強く結びついていると答えた経営幹部はわずか12%だ。戦略とイノベーションの連携が強い企業は、弱い企業と比べて新製品の収益が74%多い。しかしほとんどの組織にはその連携が存在しない。方向性なきイノベーション活動だけが行われている。

イノベーションが難しいのはアイデアが不足しているからではない。組織がイノベーションの圧力に反応し、ハッカソンの開催やイノベーションラボの立ち上げ、デザインスプリントを行うためのコンサルタント採用といった活動に走るからだ。活動は多いが成果はわずかだ。起業家スティーブ・ブランクはこれを「イノベーション劇場」と呼ぶ。

見抜く鍵はというと、リーダーがすべてをイノベーションと呼ぶ時だ。プロセス改善や新機能、再パッケージ化されたサービスなどすべてがイノベーションなら、何もイノベーションではない。

代わりに求められるもの

事業戦略へとつながる、解決する価値のある課題を解決すること。イノベーション活動の測定をやめ、実行しようとしている戦略にとって重要な課題を解決したかどうかを測るといい。成長目標を阻む顧客の課題や、拡大を妨げる業務上の課題、現状と戦略目標との間の収益格差などだ。問うべきは「私たちは革新的か?」ではない。「戦略を前進させるどんな課題を解決したか? その成果を証明できるか?」だ。そのためにはラボやイノベーションの職位といった見せかけを捨て、何が壊れていて、それを修正できたかを不快なほど具体的にする必要がある。

次ページ > 6. エンパワーメント(権限移譲)

翻訳=溝口慈子

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