リーダーシップ

2026.01.09 12:00

2026年、「もう使うべきではない」6つのビジネス用語 本来の意味が失われている

Shutterstock.com

2. ピボット(方向転換)

「ピボット」という言葉は、10年以上前からバズワードとして目立たなくなっている。新型コロナのパンデミック時には、プレスリリースやLinkedInの投稿に頻出するあまり、かつての正確な意味合いを失ってしまった。

advertisement

この言葉は起業家のエリック・リースと、リースが提唱したリーン・スタートアップ運動に由来し、明確な意味を持っていた。それは検証された学びに基づき戦略の一部を転換するということだ。学んだことに片足を置き、もう片方の足を新しい可能性のある未来に踏み出す。規律ある方向の修正が本質だった。

現在ではどうか。あらゆる方向転換が「ピボット」と呼ばれる。あらゆる失敗が戦略的柔軟性として再定義される。この用語は、反応のしやすさを意図的な行動に見せかけることで責任回避の手段となっている。

リーダーたちはあまりに頻繁に「ピボット」するため、もはやどこへ方向転換しているのかさえ分からなくなる。大組織においては、実際の戦略転換の障壁は発表された方向転換のほとんどが実際には実行されないことを意味する。官僚的な承認プロセスやリソースの制約、多すぎる関係者など、これらすべてが摩擦を生み、戦略的柔軟性を単に見せかけの戦略に変えてしまう。

advertisement

代わりに求められるもの

現実を踏まえた進路修正。方向転換する際は、「このアプローチは誤りだった。ここから学んだこと、被った損失、そして今後変える点は次の通りだ」などと正直に明らかにする。失敗の内容と原因を具体的に示すのはきまりが悪いかもしれない。だが、これは実際の戦略転換に必要な信頼性を築く唯一の方法だ。すべてを「ピボット」と呼ぶのは、計画通りに行かず誰もその原因を把握していないと認めるに等しい。

3. オーセンティックリーダーシップ

従業員のオーセンティックリーダーシップ(自分らしさを重視するリーダーシップ)の受け止めは仕事に対する満足度につながり、信頼と相関することが研究で示されている。有望に聞こえる。

だが研究と現実の乖離が示すものがある。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンと米コロンビア大学のビジネス心理学教授、トマス・チャモロ=プリミュージク博士はこのほど、「オーセンティックリーダーシップ」はナルシシストを評するもので、真のリーダーシップではないと断言している。リーダーが「自分らしくふるまっている」ことを盾にフィードバックを無視したり適応を拒んだりする時、彼らは真正性を体現しているのではない。自尊心を満たしているのだ。

リーダーたちは「自分らしくある」だけで十分だと信じ始めた。脆弱性そのものが信頼を生み、業績を向上させると思っている。そうはならない。能力を伴わない真正性は単なる告白だ。実行と応用を伴わない真正性はただの雑音だ。投資と結びついた真正性こそが真の価値を生み出す。

代わりに求められるもの

実証された能力を通じた信頼の獲得。「自分は本物か」ではなく「自分の天性の強みが他の人のために価値を生み出しているか」が問われる。自分の得意分野を知ることは、それをどこでどう活かすかを知ることに比べればはるかに重要度が低い。戦略的思考が備わっているリーダーが、その才能を巧妙な方向転換にしか使わなければ誰の役にも立たない。生まれつき共感力があるが困難な対話を避けるリーダーはその能力を無駄にしている。強みが信頼を生むのは、既存の行動を正当化するためではなく、チームにとって重要な問題を解決するために使われる時だ。

リーダーは言葉を実行に移し、表明した価値観に沿った決断をし、過ちや盲点を認めて修正することで信頼を得る。それは外から見ればオーセンティックリーダーシップに見えるかもしれないが、自己表現よりも強固な基盤の上に築かれている。組織が終える必要がある仕事にあなたの実際の強みを活かすことの上に築かれているのだ。

次ページ > 4. アラインメント(同調)

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事